YAMAGUCHI::weblog

海水パンツとゴーグルで、巨万の富を築きました。カリブの怪物、フリーアルバイター瞳です。

「すごいErlangゆかいに学ぼう! 」という本が出版されました #すごいE本

はじめに

こんにちは、Erlang界のCBR400Rです。このたび、私の2冊めの翻訳書籍、印刷されたものとしては初となる書籍が「すごいErlangゆかいに学ぼう!」というタイトルでオーム社より出版されました。本日より書店ならびにAmazonはじめとするオンラインストアでご購入頂けます。

すごいErlangゆかいに学ぼう!

すごいErlangゆかいに学ぼう!

いま手元にある本の厚さや重さを実際に感じて、電子書籍では味わえなかった充実感、達成感を得ています。これの実現に至るまでに多くの方々にお世話になり、その方々のご協力なしには出版なんて到底ありえませんでした。本当に感謝しています。ありがとうございました。

「すごいErlangゆかいに学ぼう!」はどんな本なのか

これはFred Hebertの書いた"Learn You Some Erlang for great good!"の日本語訳書籍です。著者のFredはこの本の出版を評されて、2012年のErlang User of the Yearに選ばれています。Erlang公式コミュニティからも、推薦の一冊として紹介されている、という書籍です。

Learn You Some Erlang for Great Good!: A Beginner's Guide

Learn You Some Erlang for Great Good!: A Beginner's Guide

タイトルに「Erlang」と入っているので、当然プログラミング言語Erlangに関する本です。ただその内容の量、質が尋常じゃないんです、ほんとに。内容をいくつかの章ごとに大きく分けると、おおよそ次のような構成になっています。

  • 1-9章: Erlangの基礎と関数プログラミングの初歩について
  • 10-13章: 並行プログラミングについて
  • 14-17章: OTPの基礎
  • 18-25章: OTPアプリケーションについて
  • 26-29章: 分散アプリケーションについて
  • 30章と残り: 型と新仕様について

Erlangの本なので1-9章でErlangの文法の習得をするのは当たり前なのですが、それ以降の章はErlangを習得しようとする方のみならず、並行プログラミングや分散アプリケーションを実現する上で一体どのような機構を用意しなければいけないのかを理解したい他言語の方にも十分有用な内容となっています。OTPという「フレームワーク」がいかに先に述べたようなアプリケーションを容易にかつ堅牢に実現しているかを理解する上で、本書の構成が非常に優れていると私個人は思っています。その理由はこの本がOTPありきで進まないからです。まずかならず手持ちの機能だけで頑張ってアプリケーションを実装してみて、いよいよ実装が複雑になりお手上げとなったところでOTPを紹介し、その有用性を実感できる形になっています。一つ一つ確実にその有用性を理解することで、Erlangに限らず他の言語でも同様のアプリケーションを実装する際には似たような機構が必要になることを直感的に理解できるのではないでしょうか。このような内容を自分で手を動かしながら理解できる日本語書籍は、自分で言うのもなんですが、他に知りません。

また理解が進めば進むほど、OTPの強力さを思い知らされることになります。普通の言語では標準ライブラリ等はあくまで言語に付随するもので、とりだてて別称することはありません。しかしErlangではわざわざErlang/OTPと標準ライブラリであるOTPを併記します。個人的にはこの辺りにOTPの重要性が垣間見えると思っています。つまりOTPというフレームワークがあるからこそ、Erlangが存在しうる、という意志の表れではないでしょうか。

「新しい言語を学ぶ」というだけではなく「新しい仕組みを知る」という点でもおすすめです。ぜひご一読下さい。また本書は原著版にもない、最新のR17.0から導入されたマップについてのまるまる1章追加されています。R17.0対応している日本語のErlang書籍は本書だけです!

翻訳の思い出

この翻訳書籍を出版するきっかけは3年半前までさかのぼります。*1 訳者序文にもありますが、まだ僕が転職する前に、レビュアーの @voluntas から原著のウェブ版(当時はまだウェブ版しかなかった)を紹介されたのがきっかけでした。そして、Erlangという、よくわからないけどなにやら並行・分散プログラミングが非常に得意でネットワークサーバの作成にすこぶる向いている面白い言語がある、と前々から聞いていたので、勉強がてら翻訳を開始しました。

始めのほうは順調に翻訳を行っていたものの、後半になるにつれどんどん1章ごとの分量が増え、さらに内容も複雑化して、非常に苦労していたことを覚えています。その後、途中で別のことをしていたり、仕事が忙しくなったりして翻訳が滞り、ウェブ版の原著が30章まで完成しいよいよ印刷版が出るという噂が出始めた頃には、まだ22章までしか翻訳が終わっていませんでした。その後しばらくして転職をし、そろそろ翻訳を再開しようかと思っていた頃に、オーム社の鹿野さんと高尾さんに今回の翻訳書籍の出版のお話を頂きました。

とりあえずウェブ版原著の翻訳を終えることが肝心ということで、なんとかウェブ版原著の翻訳を終えました。その後、原著の書籍版が出版され、オーム社さんにウェブ版と書籍版の突き合わせ原稿を作成してらっているうちに、またバタバタしだしてしまい、翻訳が滞ってしまい、結局今年の頭から書籍版の翻訳を再開。とまあ、書籍版自体の翻訳を開始するまでがすでにウェブ版の翻訳から3年経っているという状況だったのですが、書籍版の翻訳が始まってからは、多くのレビュアーの方に的確なレビューをいただき、短い期間で非常に多くの改善を行うことが出来ました。現在公開されているウェブ版の日本語訳と比較すると、恥ずかしくてウェブ版を取り下げたいレベルです。

自分の中で4年間弱常に頭の片隅にあったモヤモヤが、こうやって無事に出版にこぎつけた今日ようやく消えた気がします。あー、長かった。

オーム社での翻訳体制の話

ウェブ版の翻訳は個人のBitbucketのhgレポジトリ、後半になってGitHubのprivateレポジトリ、そして書籍版の翻訳は最初はsvn+tracを使い、2013年11月からはオーム社GitHubのプライベートレポジトリに移行しました。このように何度かレポジトリの引越しをして出版まで来たわけですが、最後のGitHubでの運用が一番個人的に楽でした。運用方法は特に明文化されていたわけでなく、レビュアーに自由にチケットを切っていただきながら、ラベルやマイルストーンを適宜追加していったわけですが、いま振り返ると次のような方法で翻訳するのが楽だったなと思いました。

編集原稿

鹿野さんが用意して下さったのですが、拡張HTMLのようなマークアップ原稿でした。基本HTMLなのですが、原稿には日本語と英語原文の両方があり、日本語の部分のみ編集。たとえばつぎのような感じです。

<p lang="en">Learn You Some Erlang for great good!</p>
<p lang="ja">すごいErlangゆかいに学ぼう!</p>

このlang="ja"の部分だけど編集する形。GitHubへpushするとCIが回され、そこでLaTeX化の後にPDFになり、毎日夜中に最終版のPDFが共有のWebDAVサーバに置かれる形でした。

この原稿がよかったのは、CSSがきちんと用意されていたので、ローカルでもブラウザで簡単に読めたこと、そしてHTML、PDFという異なる形式でレビューできたので間違いを拾いやすかったことです。逆になれないと大変だったのは、HTMLを直接さわる感じなので、最初はタグがチラチラ目障りに感じたこと、そして < などの特殊記号のエスケープがたまに必要だったことぐらいです。自分の好きなエディタで気軽に編集できたのは助かりました。

ブランチ戦略

基本masterブランチ1本で、Pull Requestがある場合にのみブランチを切ってもらいます。ソースコードほど厳密にfeatureがあるわけでもないので、ブランチ名はレビュアー名とか、適当に分かる名前をつけてもらいました。mergeに関しては翻訳者である自分と編集者の鹿野さんが行うのみ。自然言語のmergeは時折うまくいかないことがあり、mergeツールに騙されたことが何度かありましたが、ほぼ問題なく運用できていました。

レビューのissueの切り方

それぞれにまちまちで、それぞれにわかりやすい点はあったのですが、個人的に一番対応しやすかったのは次のようなissue。

  • タイトル: <章番号> <該当箇所 or issue概要>
  • 本文: <GitHub上の該当箇所への行リンク> <issue内容>

GitHubでは行へのリンクが可能なので、ブラウザ上で読むときにリンクが該当箇所のリンクがあるのは非常に便利。さらに、行リンク内に行番号があるので、実際に手元で編集を行う上でも行リンクは便利でした。編集後に行番号がずれることはありましたが、基本的に10行もずれないのでこの方法でうまく行きました。

編集コメントの扱い

最初は僕と編集の方だけでやりとしていたので特にissueとか上げず タグでやりとしをしていました。が、レビューの段になって、編集コメントで質問されている内容が後々まで放置されてしまい、最後で慌てて回収するという事がありました。組版や作業報告以外は編集コメントではなく、issueに上げたほうが皆の目が入るし幸せかなと思いました。(もしくは両方に記載する)

おわりに

訳者序文でも書いていますが、本書の出版はレビュアーの方々のご協力なしには到底ありえませんでした。私がErlangを業務で書いているわけではない中で、実際にErlangで、しかも先端で仕事をされている方々からの実務経験に基づいた細かなアドバイスや、他の関数型言語のエキスパートとしての側面からの指摘、さらには他言語の経験がありつつErlang初学者としての視点からのフィードバッグなど、果ては私の拙い日本語の修正など、多くのレビューを頂きました。この場を借りてレビュアーの皆様に改めて感謝いたします。

書籍版レビュアーのみなさま(五十音順)

  • @ajiyoshi さん
  • 幾田雅仁さん (@cooldaemon)
  • 上西康太さん (@kuenishi)
  • 篠原俊一さん (@itawasa)
  • 渋川よしきさん (@shibu)
  • 島崎清山さん (@seizans)
  • 中居良介さん (@voluntas)
  • 廣江 深さん (@hiroe_orz17)
  • 山本和彦さん (@kazu_yamamoto)
  • 力武健次さん (@jj1bdx)
  • 若山史郎さん (@r_rudi)

Special Thanks

  • 古瀬 淳さん (@camloeba) :型について

オーム社

  • 鹿野桂一郎さん (@golden_lucky)
  • 高尾智絵さん

皆様からのレビュー(随時追加)

*1:原著者のFredに翻訳の許可をもらうメールを送ったのが2010年12月22日でした。

Go Conference 2014 springを開催しました #gocon

はじめに

こんにちは、Go界のユアン・マクレガーです。5月最終日にリクルートライフスタイルさんの会場をお借りしてGo Conference 2014 springを開催してきました。

前回は「新幹線を使って参加してくれた人もいました」と書いていましたが、今回は僕が呼んだBrad Fitzpatrik以外に、国内でも飛行機を使って福岡から来て発表してくれた @monochromegane や、なんとシドニーからDave Cheneyが参加してくれたりと、本当に規模の大きいイベントになってきたなと実感しています。

発表者スライド(発表順)

「あとで」となっているものは公開され次第追加します。

togetter

参加できなかった方もこちらにまとめがありますので、眺めつつ資料を見ていただければと思います。

まとめてくださった岩田さん(@qt_luigi)ありがとうございました!

運営・スタッフの皆様ありがとうございました!

今回のGoConは開催を決めてから当日までがほとんど日にちがなく、かつ自分がかなり立て込んでいたこともあって、正直自分の中では開催が危ぶまれていたのですが、蓋を開けてみれば、会場提供をしてくださったリクルートライフスタイルの荒川さんを始めとする皆様のご協力や、スタッフ参加で申し込んでくださった皆様のお陰で、非常にスムーズな運営が出来ました。

懇親会に関しても、@Jxckさんが色々と手配してくれたこともあり、会場と同じ建物の素晴らしい眺めのカフェで行うことが出来ました。

チュートリアルに関しても当日に無茶ぶりをしてくれたにも関わらず、快く引き受けてくれて、多くの参加者が楽しかったと言ってくれるようなチュートリアルをしてくれた@tenntennさん、本当に助かりました。

次回以降

何も決まっていませんが、もうちょっとコミュニティベースの開催にできたらいいなと思っています。また国内外の他のGoコミュニティとももっと交流を深められるような会にできればいいなとも思っています。

ymsr送別会で山城さんと酒飲んできた

はじめに

技術的でもなんでもない、俺がymsr送別会に行ってきたという話。区切りを付けるために書く。

俺と山城さんが初めて会った日

前からTwitterではフォローしてたし、もしかするとどこかの勉強会で会ってるはずなんだけど、ちゃんと面と向かって話したのはjava-ja温泉だったと思う。1日目の夕食の時間に、芳泉閣の例のご飯部屋で自己紹介タイムになった時に、幹事だった山城さんが「では自己紹介で、名前、id、何をやりたいか、そして童貞かどうかを話してください」と高らかに合図をして、のっけからやばいと思った記憶がある。

それから

リアルに会ったのは、他のjava-ja勢から比べたらほんとに少ないし、飲み会なんかでは自分も酒飲んでバグってたから、正直何話したか細かい内容は結構覚えてない。ただ、ついさっきまでゲスい話をしていた10秒後に真面目にエンジニアの生き方みたいな話をしたりしていたのは覚えていて、そのギャップを楽しみつつ、何話しても気さくに話せる彼の人柄はいつも気持ちいいなと思って、毎回楽しかったことは覚えている。

知らせを受けた日

「はー、今年もjava-ja忘年会だなー」となんとなく考えていたら昼間にチャットで「亡くなったらしい」と連絡を受けて、「ちょっとマジで何言ってるかわかんないんすけど」って状態でその日は上の空だった。 その日の直前にこんなこと言ってるし、知らせは多分現実なんだろうと思いつつも、これは悪いフリで、java-ja忘年会当日にはなにかネタをやらかしてくれるんだろうと思っていたりもした。

昨日の送別会で俺の中でも山城は死んだ

@ryushi がLTで「今日俺の中で山城は死んだ」と言った。それ以外でも皆口々に「死んだ」と言った。わざわざ口に出すまでもないことなはずなのに、皆確認するように言った。「亡くなった」と言わなかったのは、そう表現することで少しでも遠くに行ってしまったという言い方をしたくなかったのだろう。俺はそうだ。

いつでもインターネットで "yamashiro" で検索すれば彼がそこにいるし、いつまでも彼の思い出を振り返ることが出来る。

山城は死んだが、yamashiroはこれからもそこにいる。

山城さん、楽しい飲み会をありがとう

飲み会が大好きだった山城さんらしい送別会だった。幹事をしてくれたのは、 @ryushi や @yoshiori をはじめとする本当に親しい人達だったが、これだけの人が集まったのはやはり @yamashiro だからだろう。

「楽しい」と言ったら送別会らしくないかもしれないし、もしかしたら失礼だと思う人がいるかもしれないがが、あの雰囲気はまさしく @yamashiro が周りの人達と築いてきたもので、だからこそ感謝して伝えたい。

山城さん、最後に楽しい飲み会の幹事をしてくれてありがとう。

また今度

最後に山城さんと会って挨拶した時に山城さんが「最近Goに興味があるんで、また今度飲みながら話しましょう」と言っていた。もうそれ何年後になるかわからないじゃないですか。そっちに行くまでにGoでなんか作っててくださいよ。

会場は、名幹事にお任せします。それではまた来世。

YAMAGUCHI::weblogの2013年を振り返る

はじめに

こんにちは、Go界のティム・バートンです。今年もついにあと1日となりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。ところで私事ですが本日誕生日を迎えました。

関連エントリ

今年で1年の振り返りエントリも7年目になるようです。年を取るわけですね。

昨年立てた目標

まずは去年の年末に立てた2013年の目標を振り返ってみます。

  • 仕事頑張る(YouTube APIとか)
  • Go言語の普及
  • 地を足につけた技術力の向上

仕事頑張る

まずこの仕事については、大きな変化がありました。2011年4月にGoogleに入社以来、YouTubeのTechnical Account Managerという職種に就いていました。簡単に言えば、YouTubeの大手パートナー向けの技術営業という形ですが、その幅は非常に広く、データ解析、戦略立案補助から始まり、Business Developmentチームとの連携、ライブ配信サポート、技術系の質問に対する回答など、範囲は営業から技術までカバーする、社内でも最も刺激的な職種の1つです。この職種では面白い経験も出来、例えばライブ配信サポートでオールナイトのクラブイベントに行ったり、はたまたロケットの打ち上げで種子島に行ったりということがありました。

上記の業務を行う傍ら、この職種に就いてから、YouTube APIの連携などを行うサイト制作者あるいはデバイスメーカーの支援も行っていたのですが、その経験やこれまでのOSSコミュニティでの活動を評価してもらい、今年の10月からDeveloper Relationsチームに異動しました。これまではまず「売上」を念頭に仕事をしていて、部署も技術職と言えど営業ラインの部署だったわけですが、今度は完全に技術系の部署に移動し、いかにしてYouTube APIが世の中の開発者の助けになるかを考え、そのサポートをする職種となりました。

これまでは20%でAPIの普及を行っていたわけですが、今後は積極的に広めていきたいと思います!このエントリを見たみなさんもぜひ年始のお休みにYouTube APIで遊んでみてください!

ところで、僕が抜けてしまったYouTube Technical Account Managerですが、絶賛新メンバー募集中です。もし興味がある方がいたらお気軽に僕までご連絡ください。

Go言語の普及

Go言語の普及に関しては、今年は @Jxck_、@tenntenn、@nuki_pon を始め、多くのGoコミュニティの方々と一緒にGo Conferenceやその他イベントを開催出来、またその内容も徐々に濃くなっていったことを実感出来ました。Go普及の一助になれたのではないかと思っています。

来年も引き続き日本でのGo普及に努めますが、それだけでなく、Goコミュニティが非常に活発な近隣諸国のコミュニティとの橋渡しが出来ればなと思っています。来年はGoの初めてのグローバルカンファレンスであるGopherConもありますので、目が離せません。ʕ ◔ϖ◔ʔ Go~

地を足につけた技術力の向上

これは評価が難しいところではあるんですが、部署異動をしてから社内での位置づけも完全に技術者となったので、早速色々と叩きこまれています。社内で必要になる技術というのがなかなかおもしろくて、この3ヶ月は楽しく過ごせました。またiOS開発を初めてやってみたわけですが、Objective-Cのキモさに最初は戸惑いつつも、初めてのことを学ぶ楽しさを久々に味わうことができました。来年も今の延長で多くのことに手を出さずに集中していきたいですね。

ymotongpooの2013年

引越し

8月に引っ越しました。上京してきてからこれまでに4回の引越をしているわけですが、その中で東京都北区に10年も住んでいたことに気づき、職場も転職してから通勤しづらくなったことから、思い切って渋谷区に引っ越しました。

これまで住んできた北区は東京23区内にありながら、のんびりとしたところで、田舎出身の自分には性があっていました。最初の2年は王子駅周辺で、後の8年は駒込駅周辺で過ごしたわけですが、川沿いの公園や、六義園、ちょっと南に行けば谷根千があるし、上野公園も近く、決して華やかではない場所でしたが、うるさくない良い土地でした。一方で、勤務先は都心にあり、特に転職後は六本木に勤務となったので、どうしても駒込からだと乗り継ぎが悪く、地図上の距離の割には不便な通勤を強いられる場所でした。

転職して2年半経ったので、頃合いだと思って引越しをしましたが、引っ越してみると、通勤時間を始め、生活に大きな変化があり、気持ちにも少なからず影響がありました。よく「人間が変わる方法には、時間配分を変える、住む場所を変える、付き合う人を変えるの3つしかない」と言いますが、住む場所が変わったことによって、自分の生活の優先度にも影響が出始め、仕事をする上では良い影響が起きたように思います。

プロジェクター+スピーカー

引越してから最も生活に影響を与えたのは、プロジェクターとスピーカーです。新しい場所に引越して、部屋に多少の空間が出来たので、前々から欲しかったプロジェクターを導入したわけですが、これで観る映画は本当に良いものですね。これまでは24インチのPCモニターで観ていたわけですが、100インチ強のサイズで観られる環境を作ると映像の見え方が変わってきました。来年は映画100本鑑賞を目標に、沢山の名画を観ようと思います。

来年に向けて

  • YouTube(のAPI)の人として認知してもらえるようになる
  • Go言語の更なる普及
  • 翻訳本出すぞ
  • カメラの機能をひと通り使いこなす

2014年は今の部署に異動してから、いよいよ本格的に稼働する年となります。仕事においては、APACでのYouTube APIを用いた多くの開発を活性化する一端を担えるよう頑張ります。まずは皆さんにYouTube APIの人として認識してもらうところから。

そしてGo言語の普及に関しては、これまでどおりオンライン・コミュニティでの情報交換や発信、そしてイベントを通じてのGoユーザの交流を高められればと思っています。

2年前から出す出すと言っていた翻訳本も、いい加減区切りを付けたいので今年こそ出します!

またプライベートでは、最近木工やカメラを始めたこともあり、趣味の時間を大切にしたいと思っています。会社ではチーム内で僕一人だけがUS外のオフィスにいることもあり、時差の都合でオンオフが切り替えづらい状況になったわけですが、そういう中でこの3ヶ月はだらだらと仕事をしてしまった様に感じています。来年は集中をきっぱり切り替えられるような1年間にしようと思います。

GoのimageパッケージでGopherをぐるぐる回そう

はじめに

こんにちは、Go界のスタンリー・キューブリックです。このエントリはGo Advent Calendar 2013の22日目のエントリです。

2013年はGoカンファレンスも2回開催できましたし、私としてもかなりGoの広まりを実感出来た1年でした。来年はもっと多くの方にGoを使ってもらえたらと思いつつ、さらにプロダクション事例などを期待しています。

さて、Goなんですが、ネイティブにビルドされるとか、並列化が簡単にできるとか、そういうところがよく取り上げられますが、個人的にはimageパッケージを標準で持っているのが大きいと思っています。ということで、今回はimageパッケージを使ってアニメーションGIFを作ってみたいと思います。

imageパッケージとは

名前のとおり画像データを簡単に扱えるようにしたパッケージで、Go1.2の時点ではGIF、JPEG、PNGなどを簡単に読み込み・書き出し出来るようになっています。今回はPNG画像を読み込んで、アニメーションGIFにするということをやってみたいと思います。

まずこの可愛らしいGopherちゃんの画像を用意します。今回はサンプルということで、正方形の画像を用意しました。

f:id:ymotongpoo:20131222232717p:plain

クリスマスなので、このGopherちゃんがぐるぐると回転するアニメーションGIFができたらカワイイと思いませんか?思いますね!?じゃあ実際にぐるぐる回してみましょう!!

簡単に使い方解説

画像データの読み込み・書き込み

Goっぽく、まずはファイルを読み込んで(io.Readerを用意)して、そのあとDecoderに渡す、という流れです。

// Open source PNG file.
file, err := os.Open("image/gopher.png")
if err != nil {
    panic(err)
}
defer file.Close()

data, err := png.Decode(file)
if err != nil {
    panic(err)
}

逆に書き込みは画像データと書き込み先のio.Writerを用意しておいて、Encodeに渡すという流れ。

// Dump image data into file.
file, err = os.Create("image/rotate-gopher.gif")
if err != nil {
    panic(err)
}
defer file.Close()

err = gif.EncodeAll(file, &dst)
if err != nil {
    panic(err)
}

画像データの操作

読み込みと書き出しがわかったので、肝心の画像データの操作についてですが、扱う画像形式によって必要となる画像データ型が異なります。(image.Image、image.Palettedなど)ですが基本的には、領域を用意し(image.Rectangle)、色データを操作する(xxx.Setメソッド)という流れになります。

original := image.NewPaletted(r, palette.WebSafe)
for x := r.Min.X; x < r.Max.X; x++ {
    for y := r.Min.Y; y < r.Max.Y; y++ {
        original.Set(x, y, data.At(x, y))
    }
}
dst.Image = append(dst.Image, original)

たったこれだけで画像が扱えるんです。簡単!!ただし、現状では画像の入出力系の基本的な操作しか出来ないので、アフィン変換などは自分で実装する必要があります。では実際に作ってみた画像を見てください!

f:id:ymotongpoo:20131222234948g:plain

回っていますね!

これであなたもローリングGopherをいつでも作れます!今年のクリスマスはぜひローリングGopherちゃんと戯れてください!次はyanolabさんです。

サンプルコード全体

package main

import (
    "image"
    "image/color/palette"
    "image/gif"
    "image/png"
    "log"
    "os"
)

func main() {
    // Open source PNG file.
    file, err := os.Open("image/gopher.png")
    if err != nil {
        panic(err)
    }
    defer file.Close()

    data, err := png.Decode(file)
    if err != nil {
        panic(err)
    }

    // Define destination boundary. Expecting original image is square.
    r := data.Bounds()

    // Prepare distination image buffer.
    dst := gif.GIF{
        Image: []*image.Paletted{},
    }

    // Rotate original image and store them into destination.
    original := image.NewPaletted(r, palette.WebSafe)
    for x := r.Min.X; x < r.Max.X; x++ {
        for y := r.Min.Y; y < r.Max.Y; y++ {
            original.Set(x, y, data.At(x, y))
        }
    }
    dst.Image = append(dst.Image, original)

    clockwise := image.NewPaletted(r, palette.WebSafe)
    for x := r.Min.X; x < r.Max.X; x++ {
        for y := r.Min.Y; y < r.Max.Y; y++ {
            clockwise.Set(x, y, data.At(-y+r.Max.Y, x))
        }
    }
    dst.Image = append(dst.Image, clockwise)

    upsidedown := image.NewPaletted(r, palette.WebSafe)
    for x := r.Min.X; x < r.Max.X; x++ {
        for y := r.Min.Y; y < r.Max.Y; y++ {
            upsidedown.Set(x, y, data.At(-y+r.Max.Y, -x+r.Max.X))
        }
    }
    dst.Image = append(dst.Image, upsidedown)

    counterclockwise := image.NewPaletted(r, palette.WebSafe)
    for x := r.Min.X; x < r.Max.X; x++ {
        for y := r.Min.Y; y < r.Max.Y; y++ {
            counterclockwise.Set(x, y, data.At(x, -y+r.Max.X))
        }
    }
    dst.Image = append(dst.Image, counterclockwise)

    // Post process
    dst.Delay = make([]int, len(dst.Image))
    dst.LoopCount = 100

    // Dump image data into file.
    file, err = os.Create("image/rotate-gopher.gif")
    if err != nil {
        panic(err)
    }
    defer file.Close()

    err = gif.EncodeAll(file, &dst)
    if err != nil {
        panic(err)
    }
    log.Println("wrote out rotate-gopher.gif")
}