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噛み付き地蔵に憧れて、この神の世界にやってきました。マドンナみたいな男の子、コッペです。

『IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」』読了

渋川さんより献本御礼。

IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」 (技評SE選書)

IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」 (技評SE選書)


本書では主にIT業界で働いている人を対象としていて、「はじめに」にも「こういう人におすすめです」と書いてありますが、私の感想としては

  • IT業界を楽しみたい人
  • 勉強しようとは思うけど何から始めていいか分からない人
  • 勉強してるけどどうもしっくりこない人

におすすめな本だと思いました。

目次

  1. つまみ食い勉強法とは何か?
  2. 守りの勉強法
  3. 攻めの勉強法
  4. 勉強法座談会
  5. 勉強会に行こう
  6. 勉強を思考タイプ別に攻略!
  7. 家庭を持っている人の勉強の仕方

「つまみ食い」という言葉を誤解しないでほしい

早速Twitterで「この本おすすめですよ」とつぶやいたら、「つまみ食いは結構」と厳しいリプライがある方から飛んできましたが、おそらく勘違いによるものだろうと思います。
本書タイトルの「つまみ食い」というのはこの業界で何かを学ぼうと思ったら必要となる「関連技術の習得」と大いに関係しています。パフォーマンスチューニングをしようと思えば、OSやファイルシステム、ネットワーク等々関連する知識は必要になるでしょうし、アプリケーションやライブラリを作成しようと思えば、関連ライブラリやライセンスに関する知識が必要になるでしょう。
しかしそれらはそれぞれが非常に深い分野であり、学ぶにはある程度モチベーションを必要としています。勉強する上でなにより必要なのがその「モチベーション」の維持ではないでしょうか。
つまみ食い勉強法では「高いモチベーションのまま勉強を続ける」というところに主眼を置いていて、興味/勉強の対象をいくつか用意し、それらを切り替えることでモチベーションの維持していくという方法を提案しています。
「二兎追う者は〜」なんて言いますが、勉強に関しては違うというのが僕の主張*1でもあり、本書で存分語られているところです。「つまみ食い勉強法」によって螺旋階段を登るように成長する考え方が丁寧に書いてあります。

勉強と勉強会

本書で指している勉強法の中で、「勉強会に参加する」ことへの比重は大変大きいです。そして僕自身、勉強会に参加することによって得られた知見や情報が大いに影響しているため、是非ここは手にとって読んでいただきたい部分です。詳しい内容は本書に任せるとして、僕の感想として、本書には言い方が悪いかもしれないけれど「勉強会をどのように勉強のモチベーションにするか、どのように勉強の道具にするか」が書かれています。
また本書でも書かれていますが、勉強会に参加することで多くの刺激的な方に出会えるということもまたモチベーションに繋がります。著者の渋川さんと僕が初めてお会いしたのも1年程前の勉強会でしたが、勉強会に参加することで他にも多くのモチベーションが高い刺激的な方と出会えました。最近は勉強会ブームなどといわれ盛んに勉強会も行われていますので、まだ未経験の方は是非本書を一読されてからためしに参加されることをおすすめします。

地方、家庭

勉強会について触れましたが、上記2つの単語は勉強会を運営する中でよく話題に上ります。恐縮ながら自分がいま東京在住・独身なのでその苦労などを実感は出来ていないのですが、難しい問題です。どうしても人が集まりやすいところでできてしまいますから。
本書ではそういうところにもきちんと触れていて、地方の状況に関しては渋川さんご自身が「とちぎRuby」に関わっていたり、奥乃美さん(@nomicoさん)も奈良のご出身。座談会の方々でも地方の方がいらしたりと頻繁に地方の話題が出ています。
またご家庭がある方の話は7章をまるまる割いて触れています。勉強会に参加していた方々の中でご家庭をお持ちの方からのアンケート結果に基づいているので、内容にはかなり実践的な内容が書かれているかと思います。*2

おわりに

簡単にですがご紹介させていただきました。自分が勉強することに関してモヤモヤっと感じていたことを理路整然とまとめてくださった、そんな印象の一冊でした。章ごとにまとめがありますので、一回読んでしまってもたまに手にとってそこだけ振り返れば気持ちをすっきり整理できる、そんな使い方もできる一冊だと思います。
このブログを読まれる方は少なからず技術に興味がある、あるいは仕事にしている人だと思いますので、より楽しむためのきっかけとして本書を手にとってみてはいかがでしょうか。

*1:そうでなかったら受験勉強なんてそもそも破綻でしょ

*2:自分がまだその実感が出来ないのでなんとも強く勧められない