YAMAGUCHI::weblog

海水パンツとゴーグルで、巨万の富を築きました。カリブの怪物、フリーアルバイター瞳です。

Jaeger のall-in-oneコンテナを最速で公開する

はじめに

分散トレースのバックエンドのOSSとしては Zipkin とならんで Jaeger が有名です。Jaegerは複数のコンポーネントから成立していますが、それらをきちんとプロダクション環境用にセットアップしようとするとストレージをきちんと用意したり Docker Compose などを使う必要があります。しかし、自分の用途だとデモ用などに使う all-in-one のコンテナ( jaegertracing/all-in-one )をさっと上げて公開したいことがあり、どうするのが一番手数が少ないか考えた結果次のようになりました。

やってみた

$ gcloud compute firewall-rules create jaeger-rules \
    --allow udp:5775,udp:6831,udp:6832,tcp:5778,tcp:16686,tcp:14268,tcp:9411 \
    --direction ingress \
    --priority 1000 \
    --target-tags jaeger

Creating firewall...⠏Created [https://www.googleapis.com/compute/v1/projects/playground-219502/global/firewalls/jaeger-rules].
Creating firewall...done.
NAME          NETWORK  DIRECTION  PRIORITY  ALLOW                                                             DENY  DISABLED
jaeger-rules  default  INGRESS    1000      udp:5775,udp:6831,udp:6832,tcp:5778,tcp:16686,tcp:14268,tcp:9411        False


$ gcloud compute instances create-with-container jaeger-vm \
    --preemptible \
    --container-image jaegertracing/all-in-one:1.14 \
    --boot-disk-size 30GB \
    --tags jaeger

WARNING: You have selected a disk size of under [200GB]. This may result in poor I/O performance. For more information, see: https://developers.google.com/compute/docs/disks#performance.
Created [https://www.googleapis.com/compute/v1/projects/playground-219502/zones/asia-southeast1-b/instances/jaeger-vm].
WARNING: Some requests generated warnings:
 - Disk size: '30 GB' is larger than image size: '10 GB'. You might need to resize the root repartition manually if the operating system does not support automatic resizing. See https://cloud.google.com/compute/docs/disks/add-persistent-disk#resize_pd for details.

NAME       ZONE               MACHINE_TYPE   PREEMPTIBLE  INTERNAL_IP  EXTERNAL_IP     STATUS
jaeger-vm  asia-southeast1-b  n1-standard-1  true         10.148.0.3   XX.XXX.XXX.XXX  RUNNING

立ち上がったので適当に curl でJaeger UIの疎通確認をしてみます。

$ curl -I http://XX.XXX.XXX.XXX:16686/
HTTP/1.1 200 OK
Content-Type: text/html; charset=utf-8
Date: Tue, 08 Oct 2019 05:56:03 GMT

できた。だいたい1分かからないくらいで公開できました。

決してプロダクション環境用ではないので使ったらすぐに落とすこと。

クレジットカードの差替えをしたが意外に手間は少なかった

はじめに

いまや多くの会社が「キャッシュレスだ、ペイメントだ」とペイメント事業に乗り出し、経済産業省キャッシュレス・消費者還元事業などの施策を打ち出して、日本全体でキャッシュレスが一大ブームになっている昨今ですが、セブンペイの不正アクセスなどもあり、セキュリティに関する懸念も広く一般的に認知されました。

そんな不正アクセスに関して、キャッシュレス界隈において長らく取り組んでいる業界と言えばクレジットカード業界です。不正利用に関してはかなり高度なシステムによって検知しています。しかしながら、現状の仕組みとしていわゆるクレジットカード番号(プライマリアカウント番号、PAN)、セキュリティコード(CVV2、CVC2など)、有効期限、そして所有者の氏名という、すべてカードの表面に記録されている情報で決済ができてしまうため*1、一度それらの情報が漏洩してしまうと不正利用の対象となる危険性が格段に上がります。

クレジットカードのイシュアーはこうした危険を事前に察知して情報漏洩があった場合、あるいは不正利用が多発した加盟店などがあった場合、利用したカードを差替える措置などを取っています。今回はそういう連絡が来て、実際にカードの差替えを行ったあとにどれくらいの手続きが必要になったかの記録をしました。

三菱UFJニコスからの連絡

ある日三菱UFJニコスから一通の封書が届きました。開けてみると「クレジットカード差替えに関するお願い」と書いてあります。

www.cr.mufg.jp

中を読んでみると、次のような文言がありました。

お客様が以前ご利用になった一部の店舗が犯罪集団によるカード情報の不正詐欺に遭った疑いがあり、カード情報が流出した可能性が極めて高いことが判明いたしました。

ただ事ではありません。普段から利用明細には目を通しているものの、こういった連絡が来るとあらためて不安になります。その後次のような連絡が太字で書かれていました。

お手持ちのカードを新しい番号のカードへ差替えさせていただきたく、同封のカード差替え承諾書のご返送をお願い申し上げます。

そうせざるを得ないのは分かるのだけれども、その後困ったことに次の事柄が判明しました。

  1. 承諾書が三菱UFJニコスに到着次第、使用中のカードは無効になる。
  2. 新しいカードが到着するまでに1週間〜10日かかる。
  3. 光熱費関係以外はクレジットカード経由での引き落としは更新する必要がある。

まず2番めがかなり不便で、その10日間メインカードが利用できないということになるわけです。また3番めも非常に不便です。ネット回線等、ネット上で引き落とし先のカード情報を更新できないサービスにすべて手続きの申し込みをしなければなりません。

2番めに関しては、1週間メインカード無しで過ごす実験でしたが、モバイルSuicaや他のカード、ペイメントサービスの残金などでキャッシュレス決済はまかなえてしまいました。案外何とかなるものですね。

カード情報を更新しなければならなかったサービス

3番めの各種サービスの引き落とし先クレジットカード情報の変更ですが、当初は書面による手続きが結構あると思って、めんどうで嫌だなと思っていたけれど、よくよく調べてみると光熱費以外の手続きはすべてオンラインで完結しました。また今回の差替えでは光熱費(東京ガス東京電力、東京水道局)に関してはカード会社側で変更してくれたので、すべてオンラインで完結。思っていたよりは世の中進んでました。

ブラウザやAndroidのカード情報補完がすごく便利だった

Google Chromeをはじめ、最近のブラウザにはカード情報をフォームに自動補完する機能があります。

support.google.com

今回の更新でも、パソコンで作業していた時は結構自動補完で入力できたので楽でした。またモバイル系の更新はAndroidでやっていたけれど、AndroidGoogle Payの情報に基づいて同様に補完してくれました。

*1:3Dセキュアなどもありますが、それですら少数派

ぎっくり腰になってすぐに海外出張にいくことになった

はじめに

人間は年を取るといろいろなところに支障がでてくる。自分はこれまで大きな病気やケガもなく、一番大きな病気で記憶にあるのはノロウイルスに感染して脱水症状をおこしかけたくらいで、ほかは入院の経験もない。ケガも中学の頃に左手首にヒビが入ったくらいで、多少は捻挫等のケガはあったものの、松葉杖、車椅子での生活、あるいは入院といったこともなかった。

そういった経緯もあり、今回ぎっくり腰になって酷くうろたえた。特に痛みのピークでは病院にたらい回しにされたストレスもあり、ひどく落ち込んでいた。さらに翌週には海外出張も控え、非常に不安であった。そうした体験はあまり得られないため、記録のためにここに記そうと思う。

なお過去に似たようなモチベーションで記録を残したものには次のようなものがある。

ymotongpoo.hatenablog.com

ymotongpoo.hatenablog.com

TL;DR

ぎっくり腰後に海外出張に行くことになったらサーモス系のスープジャーなどに氷で冷蔵しながらボルタレン坐薬を持ち運ぶと安心感がある。

ぎっくり腰時系列

  • 8/19 16:30頃: 重いものを持ち上げた拍子に腰(仙骨あたり)でなにかずれた感覚があって直感で「あ、やっちゃった」と感じる。幸いまだ動けたので歩いて帰宅。痛いながらも一日過ごす。
  • 8/20 8:00頃: ベッドから起きると通常の生活に著しく支障をきたすレベルの痛みがあり、椅子になんとか座るも姿勢を変えることができない。近所の病院に電話しまくり外来できるところに行くことに。
  • 8/20 10:00頃: 病院に着いて生まれて初めて車椅子を体験する。便利。その後診察とレントゲンを撮り、問診・触診等の結果と併せて、椎間板ヘルニアではなさそうということで鎮痛剤を処方してもらって帰宅。帰りは歩いて帰れた。
  • 8/21-23 終日: 相変わらず朝は痛いものの、8/20の朝ほどではない。鎮痛剤のおかげもあって、朝数時間すると普通に生活はできる程度になる。
  • 8/24 9:00頃: ぎっくり腰は早ければ3日で痛みが収まると言われているが、相変わらず朝はかなり痛いので、月曜日から海外出張で不安もあるため、念の為近くの個人医院(整形外科)に診察してもらう。やはり最初の診断と同様、椎間板ヘルニアではなく、仙骨周りの靭帯の損傷でしょうとのこと。鎮痛剤(坐薬)が切れたので追加で処方してもらう。
  • 8/25: 朝の腰の様子はかなり改善された。しかしながら全快ではなく、重いものを持ち上げる動きには依然として不安が残る。
  • 8/26 6:00頃: 出張の出発当日。やはりベッドから起きたときの痛みは弱くなってはいるが、10時間を超えるフライトを待つ身としては不安がある状態。飲み薬と坐薬を服用。
  • 8/27: 起床すると多少の傷みはあるものの普通に生活できる感じではあるが1日イベントなので念の為飲み薬と坐薬を服用。
  • 8/28: 起床したときの腰の痛みはないが、多少動くと響くような感じがあるため、飲み薬のみ服用。
  • 8/29: 起床したときの腰の痛みはなく、違和感もあまり感じない。飲み薬の服用もせず、10日ぶりにジムに行く。少し負荷をかけるとちょっと違和感があるので無理はせず、懸垂を数種目とゴブレットスクワットを軽く。
  • 8/30-31: 一日外出して歩いていると腰が妙にだるくなる。調べてみるとどうもぎっくり腰回復期特有のだるさのようだ。坐薬は使用せず飲み薬のみ服用。
  • 9/1-2: 帰国の日。12時間超のフライトで、フライト中に6時間程寝ると腰が硬く痛みを感じる。飲み薬を服用し、体を少し動かすと痛みがなくなった。

ぎっくり腰発症直後の病院の対応

巷には「整骨院鍼灸院に行ったらすぐ良くなった!」という話もあり、実際効果がある場合もあるのだろうけど、いわゆるぎっくり腰というのは俗称であり、実際には椎間板ヘルニアを含むさまざまな症状があるため切り分けが必要である。特にぎっくり腰が起きる腰椎は下半身の運動を司る神経が通っているため、迂闊に民間療法などを試みて後遺症が大きくなると目も当てられない。

自分も症状が起きた直後に痛い体をなんとか動かし、すぐに自宅周辺の整形外科の電話番号を調べた。しかしながらどこに電話しても予約でいっぱいで外来で行くしかない。今となっては笑える話ではあるが、電話越しに定形文で「外来で来ていただくほかありません。来ていただいた場合2-3時間お待ちいただくことになります。」と言われるたびに、仕方ないとは言え「激しい痛みに耐えながらも必死に電話してきた人間に対して返す言葉ではないだろう」とやり場のない怒りを覚え、それが3軒めともなるといよいよ社会保険制度まで含めた怒りに発展しかけた。

最後に電話した病院も同様の定型文を返されたものの、あまりの痛さに悶絶していたところ途中で整形外科の看護婦が電話で対応してくれ、さまざまにトリアージであろう質問をしてくれた上で、家にイブプロフェンがあることを伝えると、少しでも鎮痛作用があるのであれば服用してから外来に来ることを勧めてくれた。また来院したら窓口に言えば車椅子に乗れることも教えてくれたのも大変ありがたかった。やり取りとしては1分程度だったが、こうしたやり取りがあるだけで病院に対する信頼度はまったく変わるものである。自分の仕事においても大変参考になる対応だった。

ボルタレン坐薬関連

ボルタレン坐薬が効くまでに掛かる時間

坐薬を入れるとトイレに行きたくなる。浣腸もそうだけれども、腸を刺激する行為を多少なりともするわけだから仕方がないといえば仕方がない。しかし、きちんと鎮痛剤の効果が発揮されるまで待たないと意味がない。したがってトイレを我慢することもあるわけだけれども、無意味に我慢をしたくないので調べてみた。

www.fpa.or.jp

こんな直球な質問あるかと思ったけど、検索する側としては助かった。40分待てば一応大丈夫そうだ。

健常男子による実験では、挿入後40分程度でほぼ吸収は終了するので、その時間の排便を我慢すれば効果が得られると推察される。挿入後早期(20~30分)で排便した場合、Cmaxは挿入後40分後に排出と同等であったが、AUCの低下やT1/2の短縮がみられたので、作用持続時間が短縮することが予想される。

ボルタレン坐薬の海外への持ち運び

最初の病院で処方された鎮痛剤は飲み薬と坐薬の2種類、2回めの病院では坐薬のみの処方だった。この両者で処方されたボルタレン坐薬(ボルタレンサポ)は非常に強力な鎮痛剤であると同時に、これがあるおかげで起床後の痛みから解放され、人間的な行動ができるようになる。痛みは抑えられているとはいえ無理な活動をすることは勧められることではないが、海外出張ということであれば仕方がない。しかし現地で痛みで活動ができないのは残念というほかないため、この坐薬を携行して備えたくなるのが人情である。特にボルタレンサポ50mgはてきめんの鎮痛効果を見せるため、某界隈では「人権」と呼ばれている。

ところでここで問題がある。坐薬は体温で溶けて吸収されるようになっており、場合によっては外気温で溶けてしまうため、冷蔵保存を求められる。しかし海外出張にこれを持っていくとなると、飛行機でも運べる冷蔵の手段を考えなければならない。たとえば日本の航空会社2社では次のように冷蔵に関しては搭乗者自身で手段を講じることと記載している。

機内にはお薬を冷蔵できる設備はございません。ご自身で保冷容器をご準備ください。

機内では薬剤のお預かりや冷蔵はできません。ご自身で保冷容器等のご用意をお願いします。

したがって保冷容器を確保する必要がある。*1家にはピクニックなどで使う簡単な保冷バッグしかないので、もっと保冷機能が強いものが必要だ。そこで次のサーモスのスープジャーを購入した。

スープジャーの中に坐薬を入れ、さらに周りを凍らせた保冷剤で囲んでなるべく低温で運ぶ作戦である。持ち込みの手荷物で運ぶことを想定しているため、保冷剤は100ml以下のもので小分けされているものを使う必要がある。(国際線の規則で100mlを超えるジェル・液体の持ち込みは禁止されている)スープジャーの中に保冷剤を入れていくため、保安所で保冷剤を破棄するよう指摘される可能性があるが、その場合に備え一応保安所を通過するためだけに保冷剤だけ取り出せるようジップロックを持っていく。(液体はジップロックで見えるようにすることが求められる可能性がある。)また最悪保安所で保冷剤の破棄をすることになっても、出国さえしてしまえばラウンジや機内で氷は手に入るため、再冷蔵は可能であろう。*2

実際にこの方法で朝6:30に家を出て、日本時間24:00にホテルの冷蔵庫に坐薬を移すまでおよそ17時間半手荷物のバックパックに入れて運んだ。懸念していた保安所での検査は成田では事前に「ここに要冷蔵の薬を保冷剤と一緒に入れています」と申告したら、普通のX線検査をしただけで特に中を開けて確認をされるようなことはなかった。

写真はホテルに着いた直後のものだけど、容器内下側に見えるものは家で冷凍したジェルの保冷剤で、上半分は機内で溶けた保冷剤と置き換えたもらった氷。見ての通り、氷は形をしっかりと維持している。確認した限り、機内でもらったときとほぼ大きさは変わっていない。

帰りが厄介で、ホテルの冷蔵庫には冷凍庫がないため、行きに使った保冷剤を再度凍らせることができず、とりあえず空港まではホテルの氷ベンダーで氷を詰めてから行った。保安所前で氷を捨ててから保安検査を通って出国、その後適当に氷をもらって詰め直すという感じで乗り切った。帰りの機内でも溶けた水を切って氷を1度足して、あとは普通に帰宅。ホテルを出てから20時間程度は経過していたが、保冷剤でない普通の氷でも持ち運べることがわかった。以下は帰宅直後に冷蔵庫に入れる直前の写真。

鎮痛剤の現地(アメリカ)での入手に関して

確認した場所がシカゴの特定のWalgreensとCVS Pharmacyだけだったので、あくまで一例としての参考程度にしてもらいたいが、鎮痛剤の棚を確認してもほとんどがアセトアミノフェンイブプロフェン、ナプロキセン、アスピリンのどれか。*3 同じ非ステロイド系消炎鎮痛剤とはいえ、ボルタレンが該当するジクロフェナク系の鎮痛剤は置いていなかった。

インターネット上で確認しても、アメリカでも入手には処方箋が必要なようだ。

www.drugs.com

Both diclofenac and ibuprofen are available in various strengths. In the USA only the lower strength tablet ibuprofen 200mg is available OTC, the 400mg and 600mg tablets are prescription medicines. Diclofenac is only available by prescription in the USA but in some countries a lower dose 25mg tablet is available OTC.

感想

ぎっくり腰は最悪だ。しかし椎間板ヘルニアではない、いわゆる一般的な「ぎっくり腰」であれば、おおよそ4日-1週間程度で日常生活はできる程度に回復するという情報は実際に体感できた。

f:id:ymotongpoo:20190902214621p:plain
回復までの経過図
(図はこちらのサイトより https://www.shimon-c.jp/indication/lbp-acute/

先達が口を揃えて「クセになるぞ」と脅してくるので、非常にストレスがたまる。しかし一度経験するとどのような経過をたどるのか、おおよそ想像できるようになるので、次回なってもストレスは今回よりは少ないだろう。もっとも二度とならないのが一番良いのだが。

参照

*1:ネット上で調べてみると外気温でも溶けなかったし大丈夫だ、というような体験談も見かけたが、万が一ダメだった場合は業務に致命的な影響を及ぼすため、安全のために極力冷蔵する方向で検討した。

*2:購入後にスープジャー内に氷だけ詰め32℃の屋外に放置し5時間後に取り出してみたところ、ほぼすべて氷が溶けずに残っていた。

*3:アスピリンは前者3つに比べると少ない

特定のコミットメッセージを持つコミットの詳細なコミットログを一覧で見る

はじめに

こんにちは、Stackdriver担当者です。いまGoのコミットを調査していて必要になったので調べていました。

ユースケース

Go本体にコントリビュートする場合、コミットメッセージの形式が次のように定められています。

math: improve Sin, Cos and Tan precision for very large arguments

The existing implementation has poor numerical properties for
large arguments, so use the McGillicutty algorithm to improve
accuracy above 1e10.

The algorithm is described at https://wikipedia.org/wiki/McGillicutty_Algorithm

Fixes #159

最初の行では変更を加えたパッケージ名をまず書いた後に、コロンを挟んで1行でコミット内容を説明します。空行を挟んで、2パラグラフめ以降に詳細なコミットメッセージを書いていくわけです。

今回、cmd/compile パッケージに加えられたコミットのコミットメッセージをすべてみたいという要求があり、結果次のようにして一覧しました。

% git log --oneline --grep "cmd/compile" | cut -f 1 -d ' ' | xargs git show --abbrev-commit --quiet

この様に表示されます。

% git log --oneline --grep "cmd/compile" | cut -f 1 -d ' ' | xargs git show --abbrev-commit --quiet
commit fbde753a58
Author: Keith Randall <keithr@alum.mit.edu>
Date:   Tue Jun 25 22:24:34 2019 -0400

    cmd/compile: make duplicate anonymous interface output deterministic
    
    Taking over CL 162240, the original CL hasn't been making progress.
    I just took the parts that fix the immediate issue. I left the
    signatslice changes out, I don't think they are necessary.
    
    Fixes #30202
    
    Change-Id: I5b347605f0841dd925d5a73150b8bf269fa82464
    Reviewed-on: https://go-review.googlesource.com/c/go/+/183852
    Run-TryBot: Keith Randall <khr@golang.org>
    Reviewed-by: David Chase <drchase@google.com>
    TryBot-Result: Gobot Gobot <gobot@golang.org>

commit 4ea7aa7cf3
Author: Cherry Zhang <cherryyz@google.com>
Date:   Tue Jun 25 14:48:04 2019 -0400

    cmd/compile, runtime: use R20, R21 in ARM64's Duff's devices
    
    Currently we use R16 and R17 for ARM64's Duff's devices.
    According to ARM64 ABI, R16 and R17 can be used by the (external)
    linker as scratch registers in trampolines. So don't use these
    registers to pass information across functions.
    
    It seems unlikely that calling Duff's devices would need a
    trampoline in normal cases. But it could happen if the call
    target is out of the 128 MB direct jump limit.
...

他にもっといい方法があったら教えてください。

追記 (2019.07.08 19:00)

いくつか助言をいただいたので、その後諸々検討してみました

% git log --oneline src/cmd/compile | wc -l
3951

% git log --oneline --grep "cmd/compile" src/cmd/compile | wc -l
3673

% git log --oneline src/cmd/compile | grep "cmd/compile" | wc -l
3654

% git log --oneline --grep "^cmd/compile" src/cmd/compile | wc -l
3080

この中でどれが自分の本当に求めているログに絞れているのかと考えてみると、おそらく3番目のもので、理由は

  1. Goのコミットメッセージの規約は守られていると仮定して、--grep="cmd/compile" としてしまうと、2パラグラフめ以降にだけ cmd/compile が入っているものが含まれてしまう。
  2. "^cmd/compile" としてしまうと、1行目の対象パッケージの部分で、 runtime, cmd/compile: となっているようなコミットが漏れてしまう。

が挙げられる。したがって今回自分がみたいログを見ようと思ったら

% git log --oneline src/cmd/compile | grep "cmd/compile" | xargs git show --abbrev-commit --quiet

が正解になると思う。

GoogleのDeveloper Relationsチームは何をしているのか

はじめに

こんにちは、Stackdriver担当者です。

これまで「Developer Relationsは何をする組織なのですか」「Developer Advocateってどんな仕事をしているのですか」といった質問をしばしば受けてきました。都度考えながら答えていたのですが、今後のためにこの記事にまとめておこうと思います。

The Business Value of Developer Relations: How and Why Technical Communities Are Key To Your Success

The Business Value of Developer Relations: How and Why Technical Communities Are Key To Your Success

Developer Relations とは何か

XXX Relationsとは何か

自分は Developer Relations を語る前に、まず世の企業内で見られるような他の「XXX Relations」というタイトルの組織について考えていくと整理しやすいのではないかと考えています。

  • PR (Public Relations; 広報): 一般大衆に向けて企業の情報を伝達し、同時に一般大衆から意見や情報を受け入れるための組織
  • IR (Investers Relations): 投資家に向けて企業の経営状況や財務状況を伝達し、同時に株主を主とした投資家からの意見や情報を受け入れるための組織
  • GR (Government Relations): 企業が政府や行政と関係を結び、企業が実現しようとしている目標に関係する法令や規制に関してのスムーズな意見交換を実現する組織

とこのように「XXX Relations」と呼ばれる組織は名前の通り 対象の人間や組織と関係を作り、そこで必要とされる情報を伝達し、同時に意見や情報を受け入れる 組織であるとわかります。

Developer Relations の定義

先の話を前提として、自分はDeveloper Relationsを次のように定義しています。

開発者や企業に向けて自社関連技術を伝達し、同時にそれらに対する意見や情報を受け入れるための組織

これを分解して考えていきます。まず前半の「開発者や企業に向けて自社関連技術を伝達し」の部分。これに関しては注意をしないといけないと考えています。

このツイートでも書いていますが、よくDeveloper Relationsでは開発者イベントを開催したり、登壇したりするだけが仕事だと思われているようですが*1、それは一部でしかありません。

開発者に自社関連技術を伝える仕事としてはイベント関連を含めて多岐に渡ります。たとえば自分が担当しているDeveloper Advocateでは次のような仕事に関係しています。

  • 開発者イベントの企画、開催
  • 開発者イベントでの登壇
  • 開発者コミュニティとの連携
  • 技術資料の作成(公式ドキュメント、ブログ、動画など)
  • サンプルコード、参照実装、デモの提供
  • クライアントライブラリ、SDKAPIの提供
  • OSSの開発
  • PRやGR、ビジネス開発などに対する技術面での後方支援

また後半の「自社関連技術に対する意見や情報を受け入れる」に関しても活動も多く

  • 各種標準団体や重要なOSSに参加・連携
  • 主要ユーザー(企業等)との定期的なディスカッション、ヒアリング
  • 新規技術や機能を導入する企業への技術支援

上記で集めた意見や情報を自社製品や関連技術の改善につなげるために

  • 社内の他の技術職(ソフトウェアエンジニア、セールス系の各種エンジニアなど)との技術・情報の共有
  • プロダクトマネージャーやソフトウェアエンジニアと製品や機能に関してディスカッション、PRDやDesign Doc*2へのフィードバック
  • GDEへの情報提供含めたディスカッション

といった仕事も多く行っています。(むしろ日常業務はこれらがすごく多い)*3

これらを見ると他の組織と重複する仕事も多いですが、GoogleのDeveloper Relationsチームでは「最終的に開発者のメリットになるのか」という点が最重視されていて、営業的な数値目標で意思決定がされるわけではありません*4。個人的にはこの点において営業組織との棲み分けが強く働いていると思います。社内にいながら、ときには開発者視点でみて、外部開発者に導入を積極的には勧めない、あるいは様子を見るように伝えることもあります。また外部開発者の視点で開発チームに修正を求めるフィードバックも多々行います。

Google の Developer Relations に所属する役職

Google Careers のサイトに Developer Relations に属する役職などの説明動画があります。(動画自体は少し古いですが、内容は変わっていません)

www.google.com

Developer Relationsチームに所属する職種は細かくみるとこれよりも多いのですが、主要な職種は次のとおりです。

  • Developer Advocate
  • Developer Programs Engineer
  • Developer Program Manager
  • Technical Writer

これらの役職はおおよそ次のように分かれています。

  • Developer Advocate (DA): 対外的な仕事が多く、担当領域に関してイベントでの登壇や外部の開発者への技術支援、担当製品のフィードバック収集などをよく行う。
  • Developer Programs Engineer (DPE): SDKやサンプルコードの開発など。
  • Developer Program Manager: コミュニティ(例: GDGGCPUG)との連携やオフライン/オンラインイベントの開催などを重点的に行う。
  • Technical Writer: 公式ドキュメント(Google DevelopersGoogle Cloudの各種ドキュメント)の執筆

これらがすべてきっちりと分かれているわけではなくて、たとえば自分はクラウドチームのDAですが、GoやOpenCensusといったOSSのコミュニティとの連携を業務の中でも重視していますし、サンプルコードやPoCコードを書くことが多々あります。

WebチームのDAのえーじさんはいまはWebAuthNの普及に務めつつ*5、長年一貫してWeb関連のコミュニティ支援を行っています。

DPEである@yuichi_araki(通称: 課長)は、メイン業務ではRoomの開発をしつつ、コミュニティでの登壇やハンズオン講師なども必要に応じて行っています。

Program Managerであるたくおさんも、コミュニティ支援やイベント企画だけでなく、デザイン系のイベントでの登壇などもよく行っています。

このように各職種に大きな枠はありつつも、最終的に「ユーザーである外部開発者と社内の開発チームをつなぐ橋」として成立すれば、自分が実行したほうが良いと思ったことを裁量を持ってなんでもできるというのがGoogleのDeveloper Relationsです。

おわりに

そもそもこれを書こうと思った理由は先日開催されたイベントの名前を見て面白さを感じたからです。

ここでは「SA (Solution Architect)」の人たちが集まっていたようですが、各社でSolution Architectの職務の定義は違っているはずです。X社ではプリセールスという認識で、Y社ではポストセールスとして扱われていたりするでしょう。そうした人たちが同じ職種であるということで集まって活動内容をシェアするというのは、その職種に共通する性質を知る近道なのかもしれません。

最近は日本でもDeveloper Relationsという組織を持つ企業が増えてきました。先に挙げたPR、IR、GRが会社の特性に合わせて異なった活動をしているのと同様に、各社のDevRelの活動は大まかには近しいとしても、企業によって変わってきます。しかし、その「大まかに近しい」活動の内容が「重要である」と認識されれば、個人的には自分のキャリアパスも広がるので嬉しい限りです。

日本でもDevRelConが開催されていますが、こうした活動が広がってDeveloper Relationsの重要性が認識されることを願っています。

参照

*1:実際にイベントでそのように聞かれたことが多々あります

*2:Product Design Doc; プロダクト要求仕様書、Design Doc; 設計仕様書

*3:他にも上記以外にやってそうだけど自分がパッと思いついたのはこれくらい

*4:目標設定に関しては営業的な数値目標を持つことを禁止しているわけではなく、優先度が違うという意味です。

*5:リンク先のWebAuthNの記事もえーじさんが書いたものですね