YAMAGUCHI::weblog

噛み付き地蔵に憧れて、この神の世界にやってきました。マドンナみたいな男の子、コッペです。

『SREをはじめよう』という本が出版されました #becoming_sre

はじめに

こんにちは、Google Cloudのオブザーバビリティ/SRE担当者です。私が翻訳しました『SREをはじめよう―個人と組織による信頼性獲得への第一歩』という書籍がオライリー・ジャパン社より出版されました。書店ならびに各社オンラインストアでご購入いただけます。

www.oreilly.co.jp

『SREをはじめよう』はどんな本か

本書は『SREの探求』のようにGoogle以外の組織を含めた、より一般的な文脈でのSREの実践を、オムニバスなエッセイの形でなく、概論の形で捉えたい人には最適の書籍です。すでに原著の『Becoming SRE』の日本語の感想などもいくつかの記事で見かけていますが、本書はまとめを読んで理解する、という書籍ではなく、本書と対話をするつもりで読み進めながら考えるほうが効果的な書籍だと思いますので、すでにまとめなどを読まれた方もぜひ翻訳版を手にとって一読いただければと思います。

本書は良くも悪くもSREを理解するための書籍です。SREとはなにか、を整理して要点を提示してくれている側面はあるものの、全体としては読者がSREの実践において現時点でどこにいるのか、その認識をより明確にするための補助となる書籍です。したがって、製品の細かな設定やベストプラクティスの構成に関する話ではなく、概念や文化、プラクティスに関する確認を散りばめています。「すでにSREは実践できている」と自認している方々にも、自分たちの立ち位置を確認するために、有用な書籍だと思います。

私が訳者としておすすめしたいのは、読者のみなさんの組織の中でSREに取り組んでいる方々全員で、本書を輪読をしながら感想や意見を交換することです。SREには多くのプラクティスが存在し、そのプラクティスの実践に寄り添うためのさまざまな技術や製品が存在します。(オブザーバビリティ、CI/CD、機能フラグ、ストレージ、コンテナオーケストレーター、IaC、ポリシーマネージャー、etc...)これらを、SREの根幹である「信頼性」を「適切なレベル」で「継続的に」維持するために使うという意識がある場合とそうでない場合とでは、システムに対する見方が大きく異なってきます。

本書の本文中にもあるように、本書はSREの概要に関してGoogleが提唱し続ける価値や実践に寄り添うようにしていますが、一方で多くの著者自身の意見を述べています。脚注のレビュアーのコメントにもぜひ注意を向けてみてください。本書を読み進めながら、「SRE実践の幅」を感じとってもらえれば幸いです。その幅を感じることで、本書以外のSRE関連書籍をあらためて読んだ際に、新たな発見があることと思います。

みなさんの感想をお待ちしています。

こぼれ話

著者 謝辞内の脚注7

今回、本を書くことは容易なことでしたが、世界は大変でした。本当に辛かった。誰にとっても。

この文の最後に脚注7として「原著の執筆は2021年下旬から行われました。」とありますが、これは新型コロナ禍であったことと、議事堂襲撃事件などを含め、アメリカでの治安の急激な悪化が背景にあります。著者がアメリカ在住なので本文でそのような表現になっています。(著者に確認済み)明言をしていないことと、議事堂襲撃事件はアメリカ固有の文脈が強く、日本語訳版において「世界は大変でした。〜誰にとっても。」という内容に即すかが悩ましかったので、新型コロナ禍の部分を強調でいるような含みをもたせるほうが良いと思い、脚注も同様にニュアンスを含めるにとどめました。

序文 アドリエンヌ・リッチの詩

序文冒頭のアドリエンヌ・リッチの詩の引用は最後の最後まで悩まされました。たとえば、3章の脚注10におけるリルケの詩や10章の脚注9にある首楞厳経、あるいはそれこそ他のオライリーやその他の著名な技術書からの抜粋などは、各々の日本語訳版をあたることで表現を揃えられました*1。しかし、このアドリエンヌ・リッチの詩に関しては日本語訳版が見当たらず、自分で翻訳することとなりました。

付録C 第10節

日本語話者、および日本在住の方向けのSRE関連情報を加筆しました。正直この内容は流動的なので掲載するか迷ったのですが、日本のSREコミュニティの発展を願って掲載しました。こういった情報がどんどん増えることを期待しています。

*1:資料の検索にあたっては編集の瀧澤さんのお力添えがなければ何倍もの時間がかかっているところでした。あらためて感謝します。

SRE NEXT 2024で「オブザーバビリティのマクロからミクロまで」というタイトルで発表しました

はじめに

こんにちは、Google CloudでオブザーバビリティやSREのデベロッパーアドボケイトをしているものです。少し時間が経ってしまいましたが、去る8月3-4日に開催された「SRE NEXT 2024」にて、開発フェーズの各段階におけるオブザーバビリティについての発表を行いました。

sre-next.dev

スライドはこちらです。

speakerdeck.com

動画は来月公開される予定だと聞いているので、公開され次第ここに埋め込みます。

発表内容のTL;DR

本番環境が持つべきオブザーバビリティ(マクロなオブザーバビリティ)は、事前に拾いきれない不測の事態を発見し対応するためのものであるのに対し、リリース以前のオブザーバビリティ(ミクロなオブザーバビリティ)は、求められたパフォーマンスを提供していることの確認をするためのものです。そのため、それぞれに用いるツールセットや取り組み方には違いが生まれます。

これらを理解するために推薦する書籍として以下の4冊を挙げます。

  • 『SLO サービスレベル目標』
  • 『オブザーバビリティ・エンジニアリング』
  • 『効率的なGo』
  • 『詳解 システムパフォーマンス 第2版』

こうした情報を一貫した日本語で、日本の方に早く広く伝えたいので、翻訳活動を行っています。

『効率的なGo』という本が出版されました #efficient_go

はじめに

こんにちは、Google Cloudのオブザーバビリティ/SRE担当者です。出張中で発売日にきちんとした記事が書けなかったのですが、去る2月24日に私が翻訳しました『効率的なGo―データ指向によるGoアプリケーションの性能最適化』という書籍がオライリー・ジャパン社より出版されました。書店ならびに各社オンラインストアでご購入いただけます。

www.oreilly.co.jp

電子書籍版はオライリー・ジャパンのサイトにPDFおよびEPUBでの提供がありますので、そちらよりご確認ください。

『効率的なGo』をなぜ翻訳しようと思ったのか

私は業務において、SREやオブザーバビリティに関わる各種プラクティスの啓蒙や、それらの各種製品(Google Cloudのプロプライエタリ製品やオープンソースソフトウェア、その他関連製品なんでも)を使った実践などを解説したりしています。ここ数年でのオブザーバビリティに対する注目が高まったこともあり、計装やAPMに関する情報はだいぶ増えてきたように思います。一方で、ボトルネックの究明を行った後の最後の一歩、ボトルネックの改善をどう行うのかについては、アプリケーション開発の文脈に渡されてしまい、あまり一般的な解説が得難い領域でした。

そんな中、『オブザーバビリティ・エンジニアリング』の翻訳の第2校がちょうど終わる頃に、原著 "Effecient Go" の出版が決まり、急いでその内容を確認したところ、まさにその解説が得難い領域をテーマとした書籍であったこと、そして内容もGoに限らない、アプリケーション性能改善一般に触れる書籍であったことから、翻訳の企画をオライリー・ジャパンへと持ち込みました。

ここ最近私が関わったオライリー・ジャパンでの翻訳書籍は、企画が立ち上がった順序で言うと、『SLO サービスレベル目標』『オブザーバビリティ・エンジニアリング』の順だったのですが、ちょうどこの順序でサービス全体のマクロな視点の目標設定から始まり、それを効率よく観察するためのオブザーバビリティの獲得、そして問題がある場合の原因の究明までは理解ができますが、最後の性能改善の部分が足りないとと考えていました。そこにおあつらえ向きに本書が出版され、まさに福音でした。

また本書がGoで解説していたことも大きいです。自分が最も使う頻度が高く、長らく関わっているプログラミング言語なので、『Go言語による並行処理』と同様に、内容の理解は他の言語で解説されたものよりもできるからです。

こういった偶然が重なり、本書を翻訳する機会を得ることとなりました。

「効率的なGo」はどのような本か

本書は次のような読者に有益であると考えています。

  • Goによって開発されたプログラムのパフォーマンスを改善したいと考えているエンジニア
  • 他の言語でのパフォーマンス改善方法を知っているが、Goでの方法を知らないエンジニア
  • パフォーマンス改善一般について理解したい方
  • Goがどのようにリソースを使うか、理解を深めたいエンジニア

本書は書籍タイトルにもあるとおりGo製のプログラムを中心として、そのパフォーマンス改善手法について解説していますが、Goに限らない、プログラムのパフォーマンス改善において汎用的な考え方が紹介されています。

また本書はGoのランタイムからOSまでという、これまであまり解説がまとまった形で得られなかった低レイヤーの解説にもある程度のボリュームが割かれている書籍なので、初級者向けの書籍では刺激が得られないエンジニアにも、非常に興味深い内容になっていると思います。

関連図書

本書の関連図書として私からいくつか挙げてみます。

まず先にも紹介しましたし、本書の訳者まえがきにも書いたのですが、『SLO サービスレベル目標』『オブザーバビリティ・エンジニアリング』は真っ先に挙げたい書籍です。

もちろん自分が翻訳に関わったからでもありますが、先にも紹介した通り、一連のオブザーバビリティの獲得と性能改善というシナリオを大局的に理解するために必要な情報はこの3冊で網羅されています。

そしてプログラムの性能問題の調査に関しては『詳解 システム・パフォーマンス』を外すわけにはいきません。非常に分厚く、また価格も高いので購入がためらわれるかもしれませんが、逆にこの内容の充実ぶりで7000円を切る価格で販売されているというのは破格と言っても過言ではありません。内容も、非常に丁寧に解説されていますし、頭から通して読まなくても、辞書的に使えるところが素晴らしいです。一人一冊とまでは言わないまでも、一社に一冊は備えておくことをおすすめしたいです。

本書にならんでGoの内部挙動を紹介する書籍として紹介したいのは『Goならわかるシステムプログラミング』です。本書より少しだけ上のレイヤーで広くGoのランタイムの解説をしています。システムコールのレベルでGoのランタイムとOSの関係性を知りたい場合にはおすすめの書籍です。

また本書で解説されている内容の中で、GoプログラムとCPUに関する章(第4章)がありますが、そちらに興味を持たれた方は『プログラマーのためのCPU入門 』をおすすめします。より一般的な立場からプログラムとCPUはどう連携して動くのかを深く解説されている書籍です。

おわりに

私は職業柄、システム全体、サービス単体、関数1つと様々なレベルでの性能最適化に関わる話をすることがありますが、一貫して広まってほしいと思っている考え方は「性能を改善するためには計測し目標を立てること」です。本書が、その普及の一助になることを期待しています。

YAMAGUCHI::weblogの2023年を振り返る

はじめに

こんにちは、Cloud Operations担当者です。2023年も最後日となりました。そして私の誕生日です。だんだんと歳を重ねることが億劫になる年齢となってきました。例のやつを貼りました。よろしくお願いします。

www.amazon.jp

2020年3月から始まった新型コロナウイルスの猛威により様々な制限を設けることによって経済的な影響を抑えつつなんとかやってきた数年間でしたが、今年のゴールデンウィークを境に季節性インフルエンザと同じ5類感染症に分類されることとなりました。その是非はさておき、これにより様々な生活への変化が訪れ、私も数多くのオフラインイベントに登壇する機会が増え、仕事や生活が大きく変わった1年でした。

過去の年次の振り返りはこちら。

ymotongpooの2023年

去年立てた目標

  • オブザーバビリティ関連の展開
    • SRE関連含めたプラクティスの普及
    • OpenTelemetryイベントの実施
    • Collector関連でOSSを出したい
  • Goコミュニティ関連
    • Go Conference 2023 Springの運営を無事終わらせる
    • Gophers Japanの活動の拡大
  • 執筆・翻訳・監訳をすすめる
    • 新たな翻訳企画
  • キャンプ
    • 1年を通じたハンモック泊の充実
  • 語学
    • DELE受験

先に述べたように、新型コロナウイルスの分類が変更されたことによって生活が大きく変化し、当初考えていたようなことができなかったり、逆に思わぬ成果が多かった1年でした。

仕事

今年は社内の仕事で、技術的な仕事とプロジェクトリード的な仕事の割合ではだいぶ後者が増えてきたので、なかなか思うように時間が取れなかったのですが、いろいろとチャレンジングな仕事が多く出来たかなと思います。

イベント登壇

今年も去年に引き続き登壇が多かった1年でしたが、特にオフラインイベントでの登壇が増えた1年でした。ざっと記録を見てみましたが、今年だけでオンライン、オフライン含めて30イベントに登壇したようです。今年は意識してSLOに関する話を何度も繰り返し行っていました。少しはSREのプラクティスの普及に貢献できたのではないでしょうか。

主な登壇の記録は一旦こちらにまとめてあります。

github.com

イベント運営

自分でイベント運営をすることがかなり減ってきましたが、今年はGo Conference 2023とOpenTelemetry meetup 2023-10の運営に関わりました。

gocon.jp

opentelemetry.connpass.com

Go Conferenceは2代目座長の @tenntenn が今回で座長を退任し、来年は @sivchari さんが座長となります。2013年に勢いだけで始めたイベントが10年続いたのも、ひとえに毎年メンバーは違えど、一緒に運営してくださる皆様と、スポンサーや登壇者、そして毎回応援してくれる参加者などの、支えてくださる皆様のおかげに他なりません。これからもGo Conferenceが続くことを願っています。

OpenTelemetry meetupに関しては、3年くらいずっとやりたいという話を @katzchang としていて、今回オフィス移転前のCARTA HOLDINGSさんのイベントスペースをお借りして実現できました。2023年はOpenTelemetryに対する注目度が一段と高まった年だったので、良いタイミングで実施できたと思います。盛り上がりです。

執筆・翻訳・監訳

つぎのような目標を立てていました。

  • 執筆・翻訳・監訳をすすめる
    • 新たな翻訳企画

今年の頭に昨年末に校了した「オブザーバビリティ・エンジニアリング」が出版されました。

ymotongpoo.hatenablog.com

その半年後に、紆余曲折を経て数年越しで「SLO サービスレベル目標」が無事出版に至りました。2年強、コロナ禍でリモートワークが前提の中での翻訳作業でしたが、編集の高さんを始め、関係者のみなさまとは結局一度も直接お会いすることなく出版となりました。来年、機会があれば、今度こそご挨拶できればと思います。

ymotongpoo.hatenablog.com

また同じく、コロナ前から始まっていた企画であった「実践プロパティベーステスト」も無事に出版に至りました。鹿野さんには長年にかけてご迷惑をおかけしただけでなく、編集作業においては私の翻訳から、日本語として格段に上質なものにしていただき、本当に感謝しています。

ymotongpoo.hatenablog.com

2冊は単純に作業が滞った結果今年出版になってしまったというだけではあるのですが、1年に3冊出版というのはなかなかタフな仕事ではありました。特に「SLO サービスレベル目標」と「実践プロパティベーステスト」に関しては、今年を逃すともう出版できないかもしれないというプレッシャーにより無理にでも作業を進めたというのが本当のところではあります。

いずれにせよ、担当編集者のみなさまにも恵まれ、非常に充実した1年となりました。現在、また別の本の翻訳にすでに取り掛かっていて、そちらは早ければ来年第1四半期には出るのではないかと思います。そちらも楽しみにしていてください。

出張/旅行

新型コロナ禍以降、久々に出張などが復活し、海外への移動が多くあった1年でした。写真は初めて行ったクアラルンプールにあるペトロナスツインタワー

スペインは旅行でしたが、それ以外はすべて出張でした。シンガポールやマレーシアは時差が1時間しかないこともあり、本当に気持ちが楽な出張でした。歳を取るにつれて時差ボケが本当にきつくなってきて、サンフランシスコもバルセロナもどちらも本当に疲れました。

来年もすでに海外出張がいくつか決まっているので、現地の人々との交流がいまから楽しみです。

趣味

キャンプ

キャンプに関しては次のような目標を立てていました。

  • 1年を通じたハンモック泊の充実

今年は年の後半は後述する住宅購入やら、イベントやらで思ったほど時間が取れず、ハンモック泊に行けたのは年のはじめだけでした。合計で2回ではありましたが、3月と6月に行ったので、季節としてはだいぶ快適で、防寒対策はクローズドセルマットを用意する程度で、あとは寝袋の性能で十分でした。ハンモック泊での外の空気に直接触れながら寝る感覚は何度行っても爽快感があります。まだ雨のハンモック泊は経験したことがないので、来年はタイミングを見計らって実施したいです。

語学

去年に引き続きDuolingoを1年継続できました。毎日コツコツできるものは得意です。

去年は「DELEを受けるぞー」と息巻いていましたが、11月はCloud Next Tokyoの準備やら、家族旅行やらなにやらでまったく受験とか無理でした!早く受けられるようにしたいところです。いまの感じだと、受験をするとなるとリスニングが明らかに不得意なので、もう少し音声インプットを増やしたいと感じています。家族旅行で行ったスペインも、こちらが話しかけたり、あるいは文章の読み書きをするのはわりかしできるようになっていると実感できましたが、リスニングは他の3つの技能に比べるとレベルが低いように思います。来年は何かしら対策したいところです。

ところで、クアラルンプールに12月頭に行ったことで、思いがけず始めたインドネシア語およびマレー語ですが、文法がかなりわかりやすいので、このまま続けて行こうと思います。

その他

家を買った

去年奨学金を完済して負債がゼロになったばかりでしたが、今年はそれよりもずっと大きな住宅ローンという負債を抱えることとなりました。少し事情が特殊な形で家を購入したので、住宅ローンの審査がなかなか通らず、13行に審査を出してようやく2行から承認を得たという感じでした。ネット銀行は本当にテンプレートから外れると審査が厳しいということを学びました。

本当にこの図のとおりでした。(引用元: 住宅ローンの基本 | モゲチェック

紆余曲折ありましたが、無事に住宅ローンが組め、物件を購入できたので、あとは淡々と返していくだけです。新しい家は築浅の中古戸建てなので、大きなリノベーションが必要ないのが助かります。家具などはいま使っているものがだいぶ年季が入ってしまっているので、これを機に一新しようと思います。

普通自動二輪の教習

前述した物件は地方都市にあり、家の周りを移動するのに車だけだと個人的には不便だと思ったので、一旦原付一種を適当に買おうと思っていました。しかし他の地方都市に漏れず、家の周りは車社会のため、原付一種は馬力の低さゆえに発進や坂道で不満に感じそうだと思い、原付二種を買うことに決めました。とはいえ自分は中型自動車免許しか持っていない(歳がバレる)ので、原付二種には乗れません。こうした事情から、新しいことにも挑戦してみたかったのものあって、勢いで普通自動二輪の免許を取ることにして、年末に通い始めました。

まだ今の段階では卒業検定には至っていなくて、あと1時間第2段階の見きわめをしたあとに卒業検定という状況です。年明けの検定でどうなるか、まったくわかりませんが、合否は一旦置いといて、いままでちゃんと動かし方を知らなかった乗り物を動かせるようになるというのは単純に楽しいです。またこの歳になると、人に教えてもらえることのありがたさをしみじみと感じます。

原付二種を買うと決めてから通い始めた教習ですが、すでに今の時点で普通に中型バイクが欲しくなってるので、おそらくいずれ買うことになると思います。まずは免許を取ってから、いろいろとレンタルバイクで試してみます。

来年に向けて

来年はこんな感じでやっていこうと思います。

  • コミュニティ関連
    • OpenTelemetry meetup とかハッカソンとかやっていきたい
    • Go Conference 2024は久々のオフライン開催なので無事に行う
  • 執筆・翻訳・監訳
    • 1冊は翻訳本を出す
    • 同人でもいいので何かしら書き下ろしたい
  • 趣味
    • キャンプでハンモック泊やタープ泊などの軽量キャンプに行く
    • 普通二輪の免許を取得したらツーリングキャンプに行く
    • グリル料理を覚える
  • 語学

マレーシアに行ってきた

はじめに

こんにちは、Google CloudでオブザーバビリティやSREを担当しているエンジニアです。先日バルセロナに家族旅行に行ってきましたが、今年最後の出張として12月初旬にクアラルンプールに出張に行ってきました。

バルセロナに行くときはアムステルダムまで13時間、そこから乗継便で3時間強と体力的に疲れるフライトでしたが、それと比べたらクアラルンプールまでは直行便で7時間程度なので余裕でした。

旅程

日程 アクティビティ
11/30 NRT→KUL
12/1 マレーシアオフィスで仕事&登壇者懇親会
12/2 DevFest KL 2023
12/3-4 少し観光&KUL→NRT

気付きと感想

Malaysia Digital Arrival Card(MDAC)

マレーシアは90日間の滞在でパスポートの残存期間が半年以上あればビザなしで入国できますが、それ以外にMDACというデジタル入国カードを記入して、入国審査自動化ゲートを使うことを推奨されました。

これは今月1日から義務化されたそうなので、これからマレーシアに行く場合には事前に登録する必要があります。12/8からは登録していないと出発できないそうです。登録自体はパソコンでやればすぐにできるので、これから行くときは気をつけないといけないですね。

KLIA Ekspressを使って市内へ楽々接続

クアラルンプールの中心地はクアラルンプール国際空港(KLIA)から60kmくらい離れているのですが、KLIA Ekspressという特急を使うと一駅でKL Sentral駅まで着きます。乗車時間は30分ぐらいで料金も55MYR(2023年12月現在で1700円くらい)なので、一旦KL Sentralまで移動したい人にはとても便利でした。

会社のオフィスがまさにKL Sentral駅のすぐそばで、自分はKL Sentral周辺のホテルを取ったため、とても便利でした。

現金かQRコードでしか支払えないところがある

日本もそうですが、個人商店のような規模のお店だとクレジットカードを受け付けてくれません。そのため、現金かQRコード決済を用意しておく必要があります。最低限のセーフネットになる現金を用意しておくのが安全でしょう。

自分は海外に行った際にはソニー銀行のキャッシュカードを使って現地ATMから引き出しています。ソニー銀行は為替レートがかなりお得で、手数料もそんなに高くないと思うので便利に使っています。

moneykit.net

blog.moneykit.net

ネットの情報によると普通に過ごすだけなら1日50MYRもあれば十分とのこと。だいたい3日しか滞在しないし、カードが使えるところにも行くので、200MYR程度ATMから引き出した。

Grab超便利

シンガポール出張は度々あるため、現地での移動のためにGrabのアカウントはすでに持っていましたが、マレーシアでも配車サービスといえばGrabなので同じアカウントを便利に使えました。料金もだいぶ安く、KL SentralからSunway周辺まで20km近く、35分の乗車で34MYR弱でした(日本円で1000円程度)。

また先のQRコードでの支払いに関しても、Grab PayというのがあってGrabアカウントに旅券番号を登録すればすぐに使えます。

電車は券売機の機嫌を知るのが難しい

Grabは便利なんですが、基本的に公共交通機関を無理なく使える場合は乗りたい主義なので、電車も活用します。Rapid KLという鉄道がKL Sentral駅を中心にクアラルンプール市内をさまざまに接続しているので、ちょっと乗ってKLCCのほうへ行ってみました。

まず切符売り場で切符を買います。日本のSUICA的なTouch'n Goというカードもあるのですが、券売機を使ってみたかったので切符にしました。

www.touchngo.com.my

これが券売機です。

この券売機がなかなかに曲者で、まずカードを使おうと思ったら「調子が悪いのでクレジットカードはやってません」という感じで使えませんでした(券売機右上の赤くステッカーで隠してある部分)。まあでも現金が余ってたので特に気にせず買います。路線を選んで、行き先の駅を選ぶと支払いの画面になります。

ここが完全にトラップで、券売機によって使える現金がまちまち!写真を見てわかるように、使えない紙幣には大きくバツ印が書いてあります。この券売機は5MYR紙幣まで使えますが、別の券売機を使ったときは紙幣が一切使えませんでした。小銭をそんなに持ってなかったので、そのときは仕方なく別の券売機に並びなおすわけですが、最終的な支払いの画面までこのステータスがわからないので、ちょっとしたギャンブル気分でした。

マレーシア国産車がとても多い

マレーシアは長年首相を務めたマハティール元首相が国産車構想を打ち立て、1985年にプロトン社を三菱自動車三菱商事との合弁で作ったあとに、それをうけてダイハツ三井物産との合弁でプロドゥアというコンパクトカーメインの会社が立ち上がった、という話を、マレーシア滞在中に大量のプロトン車、プロドゥア車を見かけて調べてみて初めて知りました。

おそらくGrabで配車を頼むと、結構な確率でこの2社の車が来ると思います。

商業施設のCフロアの意味がよく分からなかった

クアラルンプール市内のビル施設には当然いくつも階があるわけですが、その中でフロア名が「C」となっているところがチラホラありました。ヨーロッパ文化圏、北米文化圏の国にそれぞれそれなりに行ったことがありますが、C階という区分けを見かけた記憶がないのでなんだろうと思っていました。

特定の階がC階になるわけではなく、ビルによってその階の位置はまちまちで、ただ共通項としては他の施設と繋がっている階がC階になっていたので、おそらくConnectionとかそんなような意味合いの言葉の頭文字だろうと思っていました。

これはKLCCの階

こちらはNU Sentralの階

で、NU Sentralのフロアマップを見て「Concourse」と書いてあったので、なるほどと思いました。実際英語版Wikipediaには次のような説明がありました。

en.wikipedia.org

C for "Casino" or "Concourse"

もしかしたら他の国でも見かけているかもしれないけれど、この頻度で見かけるのはクアラルンプールの特徴かなあと思いました。

Duolingoのインドネシア語コースが予想以上に役立つ

せっかくマレーシアに行くので、多少現地語がわかったほうがいいと思い、行く2日前から付け焼き刃でDuolingoでインドネシア語のコースを取り始めました。「え、マレー語じゃないの?」という疑問を持つのは当然で、本当はマレー語のコースを取りたかったんですが、Duolingoにはインドネシア語しかなかったので、そちらを始めました。

www.duolingo.com

インドネシア語とマレー語は文法や語彙などは近しいものがあるため、知っているとある程度現地で看板などが読めたりします。

www.tufs.ac.jp

インドネシア語、マレー語はダイアクリティカルマークを使わないアルファベットを使い、発音もほぼローマ字読み(eやcがわかりやすく音が違う)で、文法はわりとシンプルで覚えやすい感じなので、学びやすいなと思いました。

www.tufs.ac.jp

現地で現地語を理解するというのは、この上なく楽しいものなので、出張や旅行に限らず、なるべく様々な言語を習得していきたいものです。

早朝にNEXがない

成田に朝6時に到着したのはおそらく初めてでした。

ja.flightaware.com

到着してみてから初めて気がついたのですが、成田エクスプレスの始発が7時40分とかで、せっかく早く成田に着いたのに1時間くらい暇な時間ができてしまいました。

www.jreast-timetable.jp

www.keisei.co.jp

ちょっとだけ始発が早く、かつ山手線までの所要時間はとりあえず短い京成スカイライナーに乗るという手もありましたが、なにせ山手線に着く頃には通勤ラッシュとぶつかる時間帯だったので、疲れた体で荷物を持ってその中を移動するのもためらわれたため、成田線快速逗子行きで品川まで行きました。結局座れはしたものの品川まで1時間半くらい千葉方面からの通勤混雑に遭遇したため、次はこのあたりのスケジュールも考慮して帰ろうかと思います。

参照