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海水パンツとゴーグルで、巨万の富を築きました。カリブの怪物、フリーアルバイター瞳です。

スペインに行ってきた(2回目)

はじめに

こんにちは、Google CloudでオブザーバビリティやSREを担当しているエンジニアです。この記事はpyspa Advent Calendar 2023の6日目の記事です。昨日はしろうさんの「2023に有った無なこと」でした。

今年は本当に公私ともに疲れたので、11/19-27の日程でバルセロナに家族旅行をしてきました。そのときに気づいたこととか感想を書いてみます。

旅程

日程 アクティビティ
11/19 NRT→AMS→BCR
11/20 散歩、フラメンコライブ
11/21 サンパウ病院&サグラダ・ファミリア
11/22 モンセラット
11/23 市内バスツアー、外食
11/24 バルセロナ水族館、外食
11/25 バルセロナ動物園、外食
11/26-27 BCR→AMS→NRT

スペイン旅行と言いつつ、全日程バルセロナのみの旅行です。

気付きと感想

スペインは7年前に一度行っていて今回が2回めでしたが、前回は大人だけでの旅行で、今回は子どももいる旅行だったので勝手がだいぶ違いました。特に夜に気軽に遊びに行けないのは、バルセロナの旅行においてはだいぶ勝手が変わります。1度行ってる場所だからそんなに新しい気付きは無いだろうと思っていたら、前回と同行者も異なれば、自分のスペイン語力も違うこともあって、多くの気付きがありました。

シベリア上空通れないのきつすぎる

ロシアのウクライナ侵攻開始以降でヨーロッパに行くのが初めてでしたが、事前にわかっていたとはいえ13時間超のフライトはなかなか堪えました。シベリア上空が通れないので、行きは北極圏ルート、帰りは中国上空ルートで帰ってきました。

しかし、北極圏ルートなんて冷戦時代の過去の話と思っていたので、まさかこうしてそのルートを使う羽目になるとは思ってもみませんでした。昔と違ってアンカレジで給油しないで済むようになっただけマシとは言えますが、体が大きいのでエコノミーシートに13時間はなかなかにハードでした。またいろいろと国同士のいざこざはありますが、中国も上空を通してくれていることは助かりました。ここを通れないとなるとユーラシア大陸上空は中東経由とかにするしか無くなります。

ja.flightaware.com

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またスペインは旅行当時の2023年11月には日本からの直行便が存在せず、今回はアムステルダムでの乗り換えにしましたが、乗継便の待ち時間も含めて片道20時間くらいかかったので、移動で相当体力持っていかれました。多少親バカになりますが、うちの子どもは長時間フライトにも関わらず移動中ぐずりもせず、iPadや機内エンターテインメントなどで静かに過ごしてくれて、本当に助かりました。これで13時間未満の直行便であれば余裕を持って家族旅行に行けるという自信にもなりました。

スペイン語で畳み掛けられる

新型コロナ禍に入ってからDuolingoでスペイン語の勉強を始めたんですが、3年位続けているといよいよ実際にスペイン語圏に行って試してみたいという気持ちになり、今回のバルセロナ旅行は個人的に修学旅行の意味も込めて行ってきました。毎日少しずつでも続けているだけあって、読み書きに関してはかなり分かるようになっていて、街頭の看板や文章、お店のメニューなんかはそのまま理解できることが多かったです。

また店員との挨拶や注文なんかのやり取りでは、こちらがスペイン語で話す分には普通に理解してもらえました。一方で、聞き取りはだいぶ難しいと感じました。こちらがゆっくりでもスペイン語を話すと、相手は普通のスピードでスペイン語で返してくるため、それを理解するのに苦労することがしばしばありました。「ゆっくり話してほしい」といっても結局0.95倍速くらいの速度で返されることが何度かあったため、ゆっくり話してもらうことは早々に諦めました。

英語のリスニングがまだ苦手で、全然聞き取れなかった頃の感覚を思い出して新鮮でしたが、最終的にスペイン語で意思疎通できなかったときは英語でやり取りできる事が多いので、安心感はだいぶ違いました。英語は国際語とはいえ、前回来たときの学びのとおりやはりスペイン語が話せるに越したことはないなと実感しました。

カタルーニャ語優先だけどスペイン語は全然使える

バルセロナ含むカタルーニャ自治州は、近年でも独立に関して住民投票が行われたりと、歴史的経緯から長らく中央政府との確執が強い地域です*1。独自の文化も持っていて、地域の言語であるカタルーニャ語を地域公用語としています。スペインの国家としての公用語スペイン語ではあるので、公共施設などではカタルーニャ語スペイン語、英語の3カ国語が併記してあるのがよく見かけられます。

これは動物園内の禁煙に関する注意書き。右側に太字で大きくカタルーニャ語、左側に太字でスペイン語、細字で英語が書いてあります。

これは水族館内の案内。上からカタルーニャ語スペイン語、英語。

これは駅の路線案内。左から太字で大きくカタルーニャ語、普通のウェイトでスペイン語、斜体で英語

そんなバルセロナですが「カタルーニャ語を話さなければ疎まれて無視される」というようなことはまったくなく、むしろスペイン語で話すのであれば歓迎されるようなことばかりでした。自治州として確執はあるものの、外国人旅行者がその国の言語を話そうとする姿勢を示すだけでだいぶ歓迎されているように思います。

バイクが多い

バルセロナ市街に長期滞在して気がついたのですが、市内を走っているバイクが非常に多かったです。

特にビッグスクーターを多く見かけました*2。目にしたもので多かったのはヤマハのXMAXスズキのBurgmanでした。警察も白バイにBMWビッグスクーターを採用したりしているくらいでした。

バイクが多いので、当然バイク駐輪場も充実しています。こちらはバルセロナ市街中心地のカタルーニャ広場の端にあるバイク駐輪場です。

他にも町中にバイク駐輪場がいたるところに設置されていました。

タクシーが多い

良くバルセロナの観光ガイドには「タクシーが多いから普通に手を挙げて捕まえましょう」みたいなことが書いてありますが、実際に観光にいってみて改めて意識してみると、どこを歩いていてもタクシーを見かけました。

この黄色と黒のペイントがしてあって、車両の上にTAXIという光るサインと緑ランプがあり、どこかに登録番号が書いてあるタクシーは正規タクシーなので安心して乗れます。料金は自治州が公表していて、記載のある何段階かのレートが適用されます。

料金 時間 初乗り km毎
T-1 平日昼間(8:00-20:00) €2.30 €1.21
T-2 休日終日 or 平日夜(20:00-8:00) €2.30 €1.45

他にあとT-3とT-4という料金体系がありますが、前者はタクシーアプリ(後述)経由での固定料金、後者はクルーズ船に乗るときの固定料金なので、流しで乗るときは上の2つの料金体系だけ気にしていれば大丈夫なようです。(空港など入るのに別料金が追加されることもあります)

タクシースタンドもあって、このような黄色でギザギザが書いてあるところで「TAXI」という看板がある場所で手を挙げて待っていればタクシーが来てくれます。

なお、Uberバルセロナでは使えませんが、上記のように流しのタクシーがたくさん走ってるのであまり困ることはありません。それでも自分の場合は、復路の飛行機が朝6時で、朝3時半には出なければならず、かつコンドの管理会社もタクシーの予約の手伝いはできないとのことだったので、仕方なくタクシー配車アプリを使いました。

www.free-now.com

FREE NOWというアプリが一番使われているとのことだったので、そちらを使ったのですが、最初だけSMS認証をしなければならず、使っていた海外SIMがSMSに対応していなかったので、その設定のためだけに日本のSIMを一瞬だけ使いました。日本でアクティベートしてから行くことをオススメします。使い方はUberとかと変わらず簡単で、かつちゃんと事前に予約した通りの時間に来てくれたので良かったです。料金も事前に提示してくれていたので安心でした。(おそらく上のT-3に該当する料金)

朝3時半でもちょっと移動して待っていれば捕まえられそうなくらいにはタクシーが走っていたので、一人で旅行している場合にはあまり必要ないと思います。

公共のゴミ箱が多い

上のタクシーが並んでる写真の手前部分に黒いゴミ箱があると思うんですが、あんなゴミ箱が街中にありました。町中でコーヒー飲んだりチュロス食べたあとのゴミなんかをそこに捨てられて便利でした。

そしてそれとは別にめちゃくちゃでかい分別ゴミ箱がところどころにあって「このでかいゴミ箱はどういう扱いなんだ...?」と疑問に思っていました。家庭ごみなんかもここに捨てに来るそうです。満杯になるとゴミ収集車がいい感じに集めてくれるそうです。

スーパーのレンチン食材も美味しい

「スペインはご飯が美味しい」というのはもはや説明の必要のないほどの周知の事実ですが、スーパーで売っているレンチンの食材も日本に引けを取らないほど美味しかったです。これはある日のもう疲れ切ってしまってコンドの中で食べることにした夕食の食卓ですが、ムール貝イカスミパエリア、スパニッシュオムレツ、ズッキーニスープのいずれもただ買ってきたものをレンジなりコンロで温めただけです。どれも満足でした。地元ビールはあまり好みではありませんでした。

スーパーといえば、生ハムにかける本場の熱意を感じました。

自転車専用道はあるにはある

日本では自転車は原則車道ということになって、急場しのぎで車線の端に自転車マークや走行帯を表す青い印を描いただけのところがほとんどですが、バルセロナ市街では一応専用道らしきものが確保されている場所がチラホラありました。

とはいえすべての道路がこうなっているわけではなく、ない場合は日本と同じように車道の端を走れという感じでした。日本と比較して思ったのは自転車に乗る人がアグレッシブで、連結バスの横を自転車がすり抜けようとしたけれど、車幅の狭さのせいでバスの窓にぶつかってる人が一人二人ではありませんでした。

観光バスは初手で乗っておくと便利

子どもが時差ボケで眠い中歩くのは嫌だからバスに乗りたいというので、到着3日目は一日市内観光バスに乗りました。バルセロナ市内観光をしてくれる観光バスは2種類あって、紫のほうがバルセロナ市が運営しているもの、赤いのが民営です。公共機関にお金を落としたほうがいいと思ったので自分たちは市が運営するものに乗りましたが、民営に乗っても大差はないと思います。

3日目で乗ることにしましたが、一番最初にこれに乗っておいたほうが良かったなと乗ってから思いました。理由としては「バルセロナ市街の全容を楽に大まかに知れる」「主要観光地のクーポンがもらえる」からです。

バルセロナは南東にある海岸から北西の山際の高級住宅街まで南北に高低差があるんですが、それを効率よく回るのはなかなか難しいです。特に南側の地区はあまり便が良くないので、さーっと流して主要な施設を様子だけ眺めたいという場合には観光バスは便利だなと思いました。

またバスに乗る際にもらえるクーポンを使うと主要な観光地がまあまあ割引される(家族全員分だとお茶するくらいは割り引かれる)ので、観光地に多く行く場合にはおすすめです。(オンラインで予約する場合に使えるクーポンコードも書いてある)

おわりに

まだ気付きはあったような気もしますが、気がついたらまた追記します。

スペインは今回が2回目でしたが、前回も今回もとても楽しく過ごせました。特に今回はスペイン語をある程度使えるようになってから行ったのでより楽しめました。やはり語学は楽しい。長時間フライトは大変ではありますが、また機会があれば、次はマドリードやマラガなんかに行ってみたいです。明日は渋川さんです。

参照

*1:サッカーでもレアル・マドリードFCバルセロナの対戦であるエル・クラシコ中央政府カタルーニャ地方の代理戦争的な意味合いを持っていることも有名。

*2:もちろん、普通のネイキッドやツアラーなども見かけましたが、スクーターの数が多かったです