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ジャイトニオ猪場のはからいで、全財産を失いました。トランスマスターケンちゃんこと、剣持です。

Go Conference 2019 SpringのPaperCallを初めて使ってみた感想+α

はじめに

こんにちは、Stackdriver担当者です。先日、Go Conference 2019 Springのセッションの応募にはじめてPaperCallというCfP as a Serviceを使ってみました。

www.papercall.io

使ってみての感想がいくつかあったので忘れないうちにメモしておこうと思います。

運営として

これまでGoConでのCfPはGoogle Formで作ったテキストエリアにただAbstractとDescriptionの中間くらいの分量のものを書いてもらって、その内容だけで判断していたのですが、今後のイベントとしての方向性を考えてPaperCallを使ってみました。

運営としてPaperCallがいいなと思った点は

  • コミッティーがセッションに求める内容をCfP Descriptionをきちんと書ける
  • 世界のコミュニティーに直接リーチできる

の2点です。

CfP Descriptionが書ける

今回のCfPでは、セッションとしてどういう内容を期待しているか、を書いていました。(そして応募されたProposalのうちの かなりの割合 がそれを無視していましたがw)

Selection Criteria Proposals will be reviewed based on the selection criteria below.

Relevance: The talk is relevant to the Go community. GoCon is not a general software conference, our audience wants to hear about topics that relate to the Go programming language.

Clarity: You’ve clearly explained what you are going to talk about.

Correctness: You’ve demonstrated knowledge of your topic. You don’t have to be an expert, but you are expected to be speaking from experience.

Achievability: You’ve thought about how to present your material in the time available. Impact. The goal of the talk. What new idea, technique, tool, or information will the audience leave your presentation with? Note: This clear selection criterion is based on GopherCon’s one. Thank you.

今回は8人のレビュワーが全Proposalを5段階評価をしたあとに、その平均点と標準偏差を取り、各トークフォーマットごとに平均点を降順にならべて、高得点のものから採用としていきました。(標準偏差はばらつきが大きいものだけ各人の評価を確認するためだけに使用)

やはり採択された中でも得点が高かったもの(4点以上)は、上記の条件すべてに当てはまっているものが多かったです。やはりGo Conferenceなので、上にあるように

  • そのセッションがどうGoに関係しているのか
  • そのセッションはどのような問題を解決してくれるのか
  • そのセッションで登壇者が伝えたいことの独自性はなにか

こうしたものが伝わってくるようなProposalは、それを読むだけでワクワクしましたし、ぜひ発表を聞きたいと感じ自ずと点が高くなりました。

世界のコミュニティーに直接リーチできる

PaperCallを利用したもう一つの理由は、多くの海外のカンファレンスでもそれがCfP用プラットフォームとして利用されていて、海外のエンジニアがPaperCallに公開されているイベントには、まず勢いで登録しているからです。

今回CfP Descriptionなどをほとんど英語で書いたのも、そうした海外のエンジニアに向けて情報を伝えられるように配慮した結果でした。

で、今回のGo Conferenceでの結果はどうだったのかというと、数は少なかったものの、きちんと応募がありました!そしてその少ない応募のうち2名は海外から参加されます!これは本当に嬉しいことで、すでに登壇者の方とはメッセージでやり取りをしています。

一人は「スピーカーに渡航費等の補助はあるのか」と質問してきたのですが、残念ながらいまのGoConではそれは賄えないと伝えると、それでも来てくれると言ってくれました。本当に嬉しい限りです。もう一名の方もビザの準備等がありまだ参加が確定しているわけではないのですが、それでも楽しみにしていると言ってくれました。

こうした方々の参加が今後ますます増えてくるようなイベントにしたいですね。スピーカーの渡航費補助などもできる仕組みを整えたいなと考えています。(イベント自体の有償化も視野に入れて)

応募者側として

逆に応募者側として何がいいかなと思ったときに次の内容が挙げられるなと思いました。(自分も1セッション応募した)

  • 応募者側としてタイトル、概要(Abstract)、セッション詳細(Description)、追加情報(Note)をきちんと分けて書ける
  • 同じProposalを複数のイベントに登録できる

各セクションが別れている

Proposalの書き方は、学会のポスターセッションなどに近い感覚でした。そうしたものに慣れていない人にも、タイトル→概要→セッション詳細→追加情報という形でフォームが広くなっているので、セッション自体を考えるプロセスにも使えるのが良かったです。

その中でもやはり概要とセッション詳細が肝だなと思いました。概要に書く内容は、セッションスライドで言えば、最初あるいは最後のスライドにくるような「何を伝えるセッションなのか」ということ。ここを先のCfP Descriptionに一致させたあとに、実際セッション詳細で、細かな内容を記述できるわけです。

今回の応募者の中にはトークフォーマットに合わせて、各内容をどれくらいの時間をかけて話す、ということまで説明してくれていた人もいました。そういった内容があればProposalのレビューをする際にも、セッションの様子をより具体的にイメージすることができるので助かるなと実感しました。

同じProposalを複数のイベントに登録できる

今回、Go Conference 2019 Spring と Go Conference 2019 Summer in Fukuoka のCfPの期間がかぶっていました。 どうなるかわからなかったので、GoConとGoCon Fukuokaには両方同じTalkを登録しました。Submissionごとにあとで編集できるので、出してから変更すればいいのですが、自分の得意なテーマがある場合にはそれを様々なイベントに対してチャレンジできるのは便利だと思いました。

早速 GoCon 2019 Spring の Reject Conf もあり、そこでもPaperCallを使うようなので、残念ながら通らなかった人も、PaperCallの機能を使ってそちらに登録してみてもらいたいです。

コミッティーとしての感想

Proposalをたくさんいただいた中で、やはりもうちょっと改善してもらいたいなと思うProposalはあって、何段階かあったのですがつぎのようなものが多かったです。

  1. セッション詳細がない or 雑
  2. 応募者が登壇しなければならない理由がわからない

まず1つめの「セッション詳細がない or 雑」に関して言うと、前者は自明として、後者はどういうものかといえば、ブログか何かのURLが貼ってあってそれでおしまい、というようなもの。レビュワーもかなりの数(今回のレビューで言えば合計で5万字くらい読んでます)のProposalに目を通すので、その中でそういう応募があれば、熱意を感じられず加点をする気持ちが起きません。ブログのURLだけが貼ってあるものを見たときには私は中身も確認せずに「このブログ記事をシェアすればいいだけなのだから、イベントで登壇枠を作る必要はない」と判断しました。

2つめの「応募者が登壇しなければならない理由がわからない」に関しては、ライブラリやツールなどの基本的な使い方の説明、などです。ドキュメントに書いてあるような内容しかセッション詳細で読み取れないときには、やはりこれもドキュメントをシェアすれば済んでしまう話になります。

今回コミッティーとして分量があるProposalを多く読み、あらためてProposalに込められた熱意というのは大事だなと実感しました。今後PaperCallやそれに類似したサービス使うイベントは増えてくると思いますが、このサービスのおかげで様々なイベントでのセッションの質もあがるのではないかという期待が湧いてきました。

今回は初めてのPaperCallでしたが、次回は2回めで運営側も参加者側も慣れていると思うので、今回よりももっと充実した投稿が増えることでしょう。早くも秋のイベントが楽しみです。

追記 2019.04.25 09:57AM

普通にウェブサイトにはProposalのタイトルと概要だけ載せたのですが(そうしないと発表内容全部公開になってしまうので面白くない)、何がウェブサイトに記載されるか書いていなかったため、何人かの方から「詳細も載せてほしい」「概要を変更させてほしい」というリクエストが来ました。 これらに関しては運営側がCfP Descriptionにその旨を書いていなかったのが悪いので反省しています。しかし詳細を載せてしまうとセッション内容が全部わかってしまい、個人的には興ざめになってしまうので、そのリクエストはお断りしました。また概要を変更するのも、人手が圧倒的に足りないので都度修正する手間などを考えてお断りしています。