YAMAGUCHI::weblog

海水パンツとゴーグルで、巨万の富を築きました。カリブの怪物、フリーアルバイター瞳です。

研究について思うこと

思うところがあり,このブログでは珍しく技術に関することではないエントリを書く.さらに言えば,コメントではなくトラックバックという形で書く.なぜならコメントで書くには長すぎるし,コメントでやりとりをしても決して意見が収束することは無いと思えるからだ.
riywo氏は自分の研究室の後輩である.彼は,ブログのエントリを見れば分かるとおり,いわゆるWeb2.0で加速した諸ウェブサービスやメディアコンテンツに強い興味を持っていて,その点で自分と多少なりとも楽しいやりとりをした記憶がある.過去形になっているのは,彼はもうかれこれ半年は研究室に来ていないからだ.(それは彼のブログを見てもらえれば分かると思う.)
さて本題.果たして「研究」とはなんなのか.ざっくりと一般論を言ってしまえば「仮説を立て,それを実証方法を考案し,実験した結果を以て仮説検証を行い,仮説の正しさを述べる」といった流れである.これは基礎研究でも応用研究でも変わらない.
ただ現状学士や修士の研究に於いてこれが当てはまるかといえばNOだろう.少なくとも自分にとってはNOだ.じゃあどんな手順を踏んでいるのか?ここで彼のブログでの彼が求めるものを引用したい.

僕は「こういう理論があって、その応用としてこれができるはずで、とりあえず作ってみて、やってみて、その結果こうだった。予想が正しかったか間違っていたかを検証してみて(その過程で実験することもある)、そうすると次にこんなのができそうだ。」という形で物事を進めたい。
(中略)
僕はこの進め方を「日曜大工的」とも思っている。日曜大工では一流の材料も一流の道具も一流の技術も一流の知識もないけど、とにかく作ってみる。

まさに,とは言わないが近いモノをやっている.ちょろっと自分の研究について触れると,モーショングラフという3Dアニメの生成に使われるような技術についての「研究」をしているのだけど,はっきり言って先に理論を実証するために研究をしてるのではない.手順は自分で遊びでサービスを作ったりしてたときと全く変わっていない.なにかしらもやっとしたモノがあって,それを作りたいから理論やなにやらを動員している,ただそれだけの話である.

「この理論からすると、こういう実験をすればこういう結果になるはずだから実験をやってみて、予想通りの結果が得られて(もしくは予想通りになるように細工をして)ニヤニヤして、それを踏まえてじゃあアプリケーションにするとこうなって、そこではこの理論によってこういう効果が得られるはずで、作ってみたらその通りうまくいきました。」っていうのが古典的な流れで、未だにこれが幅を利かせている。

彼はこう述べているが,実際に自分が研究室に来て他の方々,特に実機(ロボット等)を作っている方々の研究を見ていた印象はこの真逆だ.自分と同じで,なにかもやっとした目標があるんだけど,上手いこと方向付けられないから,とりあえずなにかその方向に向いているであろうベクトルを1本立ててみて,そこに先達の知恵を借りて,実証積みの理論をつぎはぎしてベクトルをどんどん足していって,何とか目標にたどり着きました,という印象.
ただ論文という形にするときは筋道を以て説明しなければならないため,いかにも理論が先にありきで,それを実証するために実験をしたというような印象を受けるが,必ずしもそうではないと言い切れる.実機やソースをいじってみて後から理論づけることだってしばしば見られることだ.
ここで感じるのが,結局これってちょっと前から流行りだしたマッシュアップそのものではないか.少なくとも自分の所属する専攻,さらには自分の研究室に限った話かもしれないが.(基礎研究はこうはいかないだろうし,化学系はこんな手順では日が暮れてしまう)
と,ここまでどうでもいいことを書いてきたが,これを以て彼に伝えたいモノは何か.要するに

  • 研究も結局はコンテンツの創造の一つに過ぎない

という自分の独りよがりかもしれないが確信を持った意見である.だからこそ,現状幸いにも修士課程に籍を置いているなら,その権利を行使しないことは資源の無駄遣いだと思うし,うだうだ悩むならさっさと行動すべきだと思う.
就活が忙しくて研究室にこれないということはない.現に自分は昨年は会社,就活,研究の3足のわらじを履いていた.履きこなせていなかったので今苦しいわけだが,現状から逃げるよりまし.
自分のやりたいことが一欠片もない研究をしなければならないということは少なくともこの研究室に於いてはない.現に自分がそうだ.そう思うなら面と向かってとことんまで先生に想いの丈を伝えてみればよい.すでにしていたのであれば謝罪するが,少なくともそれすらできない人間が今後世にインパクトを与えるコンテンツを創造できるかとは到底思えない.
自分は彼の能力を買っている.だからこそ今は動いて欲しい.自分が卒業するまで,あと3ヶ月ほどしかないが,それまでに何か進展があることを期待したい.自分は研究室でじっと待っている.吉報を待つ.

PS. 思うがまま書いたので支離滅裂です.読みにくくてすみません.