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海水パンツとゴーグルで、巨万の富を築きました。カリブの怪物、フリーアルバイター瞳です。

ErgoDoxを購入して人生がバラ色になった

はじめに

こんにちは、Go界のスコット・ヘレンです。最近はPrefuse 73を毎日聴いています。今日は久々に熱いガジェットが2ヶ月ごしに届いたのでその話を書きます。

エルゴノミクスキーボード

「エルゴノミクス」と呼ばれるものがあります。日本語では「人間工学」などと呼ばれています。普段使っている道具が作られた時に、人間の操作しやすさや疲労のしにくさといったものが考慮されていないことがよくあります。たとえば、PCのキーボードなんかはそうで、もともとタイプライターというものが存在した前提があって、そのキーの並びをそのまま持ってきたのが現在のキーボードの標準のキー配列であるQWERTY配列です。これはPCのキーボードの配列としては理にかなっていないということで、Dvorak配列というキー配列が登場したわけです。

キー配列に関してはすでに慣れてしまったので、いまからDvorakに変更するということは(おそらく)しないと思います。しかし、慣れの問題では済ませられないものがあります。それがキーボードの形状そのものです。PCのキーボードは、典型的なものでは長方形の板状の筐体に50個超のキーが配置されています。人間がそこに手を伸ばしてホームポジションに手を置いてキーを打とうとすると、どうしても手が内転してしまいます。腱鞘炎待ったなしです。そこでエルゴノミクスキーボードでは、なるべく手首が内転しないように真ん中を盛り上がらせたり、キーの配置を少し変えてみたり、あるいはKinesis Contouredのように、キーの配置を2箇所に分けた上にキーをおわん型に配置するなどの工夫をしています。

これですべて解決しているように思えますが、残念ながら自分はまだ納得入っていませんでした。5年ほど前にマッサージ師から肩こりがヒドイのでエルゴノミクスキーボードに変えたほうが良いとのアドバイスをうけ、Kinesis Contoured を使うようになり、たしかに肩こりはなくなりました。しかしながら、まだ肩が内側に入ってしまい、リラックスまであと一歩という状況でした。理由は簡単で、キーボードの幅と肩幅を比べた時に、肩幅のほうが広いからです。普通は肩幅よりも圧倒的にキーボードのほうが狭くなります。そうなると、キー入力の際には必然的に両手が肩幅よりも内側に来るようになります。試しにその状態で胸を張ってみてください。無理だと思います。人間はそういう姿勢で胸を張れるように出来てません。

ErgoDoxとの出会い

もちろん上記の不満点から、セパレート型のキーボードを検討したこともありました。しかし、そうすると今度はキー配置が気に入らないのです。Kinesis Contouredの良い点は単にキー配置を2箇所に広げただけでなく、十分に動くにも関わらず、普通のキーボードではスペースキーとAlt/Option、Command/Winキー程度にしか使われていない親指を有効に使えるよう、多くのキーを親指周りに配置しているところにもあります。

Kinesis Contouredのキー配列でセパレート式になったものが無いだろうか。ここ1年はとくにそのようなことを思っていたわけですが、ここで友人が動き始めたわけです。日本一握力のある男、そう超オス、 @hiroki_niinuma がμTRONキーボードを改造して親指に機能を多めに割り当てて使い始めたとのこと。快適であることを日々報告されると、ますますセパレート型キーボードが欲しくなる。しかしμTRONはキー配列が好みでない。

そんな折、ふとしたことでErgoDoxと出会ったのです。そう、あの対談です。

実は、このときこの場に同席していたんです。 f:id:ymotongpoo:20160129193318j:plain

ここで @nippondanji さんがErgoDoxについて紹介してくださって、実機を見せてくださいました。キー配列はKinesisと同じで、メカニカルキーボードであることも同じ、そして重要なセパレート型。すぐにErgoDoxに移行することを決意しました。問題はErgoDoxはオープンソースなキーボードであり、自力で作ることを想定していること。基盤を焼いたり、筐体を作ったり、キーをすべてハンダ付けしたり、などなど全部やらなければいけない。しかし、 @nippondanji さんがブログに書いていたように、すでにErgoDoxエコシステムと呼べそうなものができつつあり、パーツ代と手間賃を払えば完成品を送ってくるサービスがあるとのこと。いろいろ探して、自分も一台注文。

そして1月末に注文してから2ヶ月弱、ようやく今日届きました。

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こういう感じで傾きをつけることもできるので、とても楽です。

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使い始めてみると、本当に姿勢に余裕ができて、胸が大きく広がるため、堅苦しさを感じることがありません。また呼吸も深くでき常にリラックスできます。自分はエンジニア以前に人間としてなるべく元気でいたいと思っているので、日々のパソコン作業で極力体に負担がかからにようにするというのもひとつの重要な要素だと考えています。なので、いまこうやってErgoDoxを使って文章を書いていると本当にいい買い物をしたと思います。

ErgoDoxの買い方、あるいは組み立て方は他のサイトに譲るとして、もっと多くの人が楽な姿勢で仕事ができるようになればいいなと思います。

とりあえず現状のキーマップを晒しておきますね。

Drop: Passions lead here (formerly Massdrop)

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国産のキーボードメーカーへのお願い

日本には品質の高いキーボードを作っているメーカーが多いので、ぜひエルゴノミクスキーボードにも力を入れて欲しい。特にErgoDoxはオープンソースライセンスで基盤や基本的な筐体の設計図をすべて公開しているので、それこそPFUや東プレが誇る静電容量無接点方式のErgoDoxキーボードが出たらまず買います!

エンジニアが長いキャリアを積めるようになれば、キーボードメーカーの皆様におかれましても市場が拡大されると思いますので、ぜひご検討ください。

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