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海水パンツとゴーグルで、巨万の富を築きました。カリブの怪物、フリーアルバイター瞳です。

3年越しにLet's Splitを完成させた #レツプリ #letssplit

はじめに

こんにちは、StackdriverあらためGoogle Cloud Operations担当者です。

ここ最近、キーボードを作りまくってますが、そもそものきっかけはLet's Splitでした。しかも3年前に作ろうとして挫折したもの。

品名 個数 備考 価格(合計)
PCB 1セット MEHKEEで購入 1500円
上下プレート 1セット アクリル板を買って自分でレーザーカットしてあった 1500円くらい
スイッチングダイオード 50個 秋月電子で購入 100円くらい
ProMicro 2個 互換品をAliExpressで適当に購入 900円くらい
Cherry MX互換キースイッチ 50個 Gateron ClearをAliExpresで購入 1700円くらい
キーキャップ 1セット AliExpressで適当に購入 1500円
タクトスイッチ 2個 秋月電子通商で購入 40円
TRRSジャック 2個 マルツで購入 100円
TRRSケーブル 1本 AliExpressで適当に購入 133円
microUSB-USB-Aケーブル 1本 AliExpressで適当に購入 400円くらい
M3x10mmスペーサー 8個 西川電子部品で購入 250円くらい
M3x8mm ネジ 16個 西川電子部品で購入 250円くらい
合計 8400円くらい

2017年末、Let's Splitを作ろうと試みる

2016年ころからErgoDox EZを使い続けていて、快適に使い続けていたのですが、筐体サイズの大きさとあまり頻度の高くないキーの多さに疑問を感じ始め、別の解決策はないかと探し始めたのが2017年頭でした。その頃にLet's Splitの自作の話をちらほらTwitterで見かけるようになり、自分も組んでみたいと思いはじめ、MEHKEEで購入したのでした。*1

そして材料を揃え学生時代の演習以来ぶりにはんだ付けをしました。

ここで「動いたぞ!!」とか書いてますが、動いてません。「動いた!!」と思ったら1列動かない列があったのでした。導通確認もせずに組み立てた結果ですが、その後テスターもろくに使わずに、そこで挫折し、そのまま箱にしまわれ、お蔵入りに...

2020年夏に発掘、再度挑戦

コロナ禍で在宅時間が増え、夜飲みに行くこともめっきりなくなった結果、できた時間で取り組んでみようと、再び封印されていた箱を取り出しました。Let's Splitの制作に挫折はしていたものの、来る日のためにHelixのGBにも参加し、foobarやMinidoxのPCBも用意されていました。これらに取り組む日がくるとは....

発掘する直前で別途購入したGherkinは途中失敗したものの、SMKIJの皆様のサポートもありなんとか復旧し、その経験もあってHelixやfoobarは滞りなく完成しました。2017年当時と違ったのは、家に電子工作用の工具が一通りあることでした。2017年当時は会社の工作室にあるもののみでやろうとしたため、ハンダも健康に配慮し無鉛はんだのみ、ハンダ吸い取り器なども同僚に借りたもの、などいろいろ制約の中でやっていましたが、いまはもう腹をくくって道具を全部そろえたので、道具を買い足すのにもまったく抵抗はありません。そのおかげでGherkinも復旧できました。

Gherkinを復旧したことで自信を取り戻し、やる気が復活したのでいよいよ途中で匙を投げていたLet's Splitに取り組むことにしました。

テスターで確認

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前回と違ってテスターをちゃんと使うようになったのでとにかくテスターで導通確認をしてみます。すると該当するキーが一列、ProMicroのつながっているはずのピンと結線されていません。Gherkinのときと違ってショートしているのではなく、導通していないのではんだ付けが怪しいんですが、ProMicroとピンヘッダは特に問題なさそう。

ProMicroを外して、再確認

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念の為ProMicroを外してから、ピンヘッダだけの状態でも同様になるか確認します。やはり同様の状況で、ProMicroの裏側に隠れていた部分もきちんとキースイッチのピンがきれいに切られていたので、怪しいのは基板上側のピンヘッダを付けてる側のランドのハンダ付け。しかしそれを確認するためにはキースイッチを全部はずす必要があります。

scrapbox.io

ここにあるトラブル例のように、やはり特定の列や行は大元のProMicroと基板の接触が不良とのことで、ますます基板上面が気になります。

キースイッチをすべて外してランドを確認

仕方なくすべてのキースイッチのハンダを取って、基板と上のプレートを外すと、3年ぶりに基板上面と対面しました。早速該当のピンのハンダを吸い取ってみると、ランドが剥げていました。それを見た瞬間に、3年前に作ったときにピンヘッダを基板の逆側につけてしまったので外した記憶が蘇ってきました。あのときにランドを剥いでしまったのか...

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ところで、このハンダ吸い取り器は本当に良かったのでめちゃくちゃオススメです。先日買った「はんだシュッ太郎」はコテ先の熱が高まりすぎるので基板上などには良かったのですが、ピンヘッダだとプラスチックの部分が溶けかけたりしてやばかったので、このハンダ吸い取り器を導入しました。

動画を見たら「やらせだろ?」って思ってましたが、気持ちいいくらいに吸えました。キースイッチ全部外すのもこれと、しつこいものはハンダ吸い取り線を追加で当てたらきれいに取れました。

再び相談

ランドが剥げていたので、代替手段でその先のシルクが結線している場所に通電させてあげればよいはずです。今回の場合は該当のピンは、本来導通が取れているはずのキースイッチのピンの部分のランドまでつながっていました。このピンからビニル線やエナメル線で直接つないであげればよいはず!しかし確証が持てなかったでSMKIJのdiscordで相談しました。

なるほど。もし(今持っている基板がv2と)同じであれば、想定されているように結線してあげれば直ると思います。試すだけなら半田付けせずともピンセットみたいな導体を使えるので、それでよさそうなら適当なワイヤを半田付けしてください。

すでに自分が基板を手に入れたときからLet's Splitの基板のバージョンも進んでいるので、そこから確認という感じだったんですが、@shelaさんにも結線について確認をしてもらって、上の提案をいただいたのでその方向性で修正することにしました。

キースイッチとProMicroのはんだ付け、結線

一度すべて外したキースイッチとProMicroを再度付け直すというのはなかなかにうんざりするものですが、単純作業なのでやっていきます。ProMicroまで付け終わったら、さらにランドが剥げていたピンから基板のシルクがつながっているキーソケットのピンに対してビニル線で結線します。

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この状態で再度テスターで導通確認を行い、今度はすべてのキーが期待通りにつながっていることを確認しました!!高まる期待!

完成

PCに接続し、キー入力してみると見事すべてのキーで入力できました!早速キーキャップを付けて完成です。

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一回諦めた分、こうやって動くようになると嬉しいですね。

おわりに

本記事はLet's Split v2 (Gateron Clear)を使って書かれました。Let's Splitが流行った頃から比べると公開されているキーボードの数はすごく増えて、公開されている情報も増え、新規に制作される基板の実装のしさすさも改善され、いまではダイオードやICのはんだ付けがないものも出てきています。また部品の調達も遊舎工房さんやTALP KEYBOARDさんを始めとする店舗が必要なものをまとめて取り扱ってくれているため、自分で必要な部品を探す手間も減りました。

こうしたすべては自分で部品を時間をかけて調達し、試行錯誤して、失敗して挫折した、という経験があった自分にはより大きく感じます。いまとなってはクラシックな部類に入るであろうLet's Splitですが、初めて取り組んだ自作キーボードで一度諦めかけただけに、三年越しに使えるものになって嬉しい限りです。

しかしここ最近作ったキーボードがすべて重め(Kailh Speed Burnt Orange、Kailh Box Black、Kailh Low Profile White)だったので、Gateron Clear (リニア35g) は軽すぎて逆に疲れますね....

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*1:予備として余っていた方からもう1セットPCBを安く譲ってもらいました