はじめに
こんにちは、AWSのデベロッパーアドボケイトをしているものです。本来であれば昨日投稿されるはずだったOpenTelemetryアドベントカレンダーの24日目の記事です。本当はここにここ1週間くらい完全にAIアシスタントに設計から実装までやらせたデモについて書きたかったんですが、現時点で重大な問題に対応できてない*1ので、かわりにこの記事ではOpenTelemetryプロジェクトが日本のコミュニティに注目しているという話をします。
TL;DR
いままさに日本のユーザーが注目されています。ぜひこれらの投稿にリアクション(フォームへの回答や返信)をください!
なぜ日本なのか
そもそも世界各国ある中で、なぜ日本のコミュニティが注目されているのか、というと単純に日本のコミュニティやユーザーに次のような特徴があるからです。
- ユーザーの数も多く、その中でアーリーアダプターの数が多い
- OpenTelemetryやオブザーバビリティに関連するコミュニティが盛んである
- 技術的なアウトプットが散見される(importされてるパッケージなどを確認すると集計できる)
- OpenTelemetryプロジェクトのupstreamがあまりコミュニケーションを取れていない
この話は誰から出てきたのかと言えば、『入門OpenTelemetry(原著名: Learning OpenTelemetry)』の共著者の1人で、現在OpenTelemetryのガバナンスコミッティーメンバーであるAustin Parkerと直接話す機会があったからです。
そもそもこの話が出てきたきっかけはこのIssueを見たからでした。
タイトルを見れば分かる通りわざわざ「Japanese」と明記しています。この話が出たのが実はAustin Parkerが問題を提起したからだというのが、OpenTelemetryのSlackでのやり取りなどで判明し、re:Inventに僕もAustinも参加してたので直接聞いたほうが早いということでディスカッションをしたのでした(たまたまkatzchangも現地にいたので3人で30分くらい話をしました)。
日本の事例をもっと世界に発信してほしい
他にもあります。OpenTelemetryプロジェクトにはEnd User SIGというものがあり、エンドユーザー向けの情報発信やオフィスアワーなどを企画しているのですが、その中で "OTel Me" と "OTel in Practice" という、OpenTelemetryを使ってみての感想を共有したり、事例を紹介するインタビュー形式のビデオポッドキャストシリーズがあります。
見れば分かる通り、日本はおろかアジアパシフィック領域からの参加者がほぼいません。理由はわかりやすく、数多くあるSIGのミーティングがAPACタイムゾーンで開催されてないからです。
ということでその状況を改善したいと現在End User SIGのコアメンバーが、ドキュメントの日本語化プロジェクトのapproverに連絡してきたのがこのIssueです。
OpenTelemetryの課題
また上の2つとは別の話としてOpenTelemetry全体の課題として「プロジェクトの安定性」があります。OpenTelemetryはガバナンス上、仕様の策定→参照実装の開発→問題点の共有→問題の改善と修正というプロセスが一般的です。そのため安定性の問題がある場合にも、仕様を策定するところから始めるものもあり、改善までに多少時間がかかります。またベンダーが中心となって開発されていることもあり、専任で担当していた開発者の退職に伴ってその機能の開発が停止することもあります。
OpenTelemetryプロジェクト全体としてIncubatingからGraduatedになるための課題として、この安定性に関する課題があります。その問題を解決するためにも次の取組を行いたいそうです。
- 現状のユーザーが抱える課題を認識する
- 安定性の問題とオンボーディングの問題を切り分けるために間口を広くユーザーを支援する
これはAustinだけでなく、同じく Learning OpenTelemetry の共著者であり、同じくガバナンスコミッティーのTed Youngも口にしていた課題です(ところでたまたまTedに直接会えたのでこの話をすることができました)。
そういえば昨日、 #ossummit で "Learning OpenTelemetry" (訳書: 『入門OpenTelemetry』)の共著者のTed Young @tedsuo と初めて会えたので嬉しかった pic.twitter.com/HAozqpcQS6
— Yoshi Yamaguchi (@ymotongpoo) 2025年12月10日
来年に向けて
間口を広げるための取り組みとしてOpenTelemetryの公式ドキュメントの日本語化プロジェクトが進んでいます。いまや私やkatzchangだけでなく、@msksgmさんや@kohbisさんがガンガンコミットしてくれています(杉本姓の人だけが参加できるわけではないです)。日本語化プロジェクトに参加する人を増やすというのがまず目下の目標です!ぜひ興味がある方は参加してください!お二人がオンボードするに至った経緯は発表資料やブログで公開されています。
また上に挙げていたようにOTel MeやOTel in Practiceに参加してくれる方が出てくれる人/企業をいち早く見つけ、収録したいと考えています(どなたかいませんか?)。
さらに2025年にせっかくupstreamの人々との交流が増えたので、このまま日本のコミュニティへの投資を広げてもらえるよう、コミュニケーションを増やしていきたいと思います。
来年こそOpenTelemetry本番導入元年になるよう、これからもコミュニティ活動を続けていければ思います。コミュニティの人間として、みなさんからのOpenTelemetryへのフィードバックをお待ちしています!

























